存在しないオタクをライブ連番者だと感じる『魂連番』の説明 トリスのメモ帳(92)


今日は『魂連番』について話したいと思います。

いや、『魂連番』って何ぃ???

この『魂連番』と言うのが自分の周りでは昔から結構使ってる言葉なんですけど、検索しても出てこない言葉っぽいのでここらで解説させてください。(身内の誰かの造語なのかな?)

【目次】

 

①そもそも連番って

ライブイベントの連番って楽しいですよね

もちろん1人で行っても楽しいんですけど、仲が良いオタクと一緒に参加することで別の楽しみが幾つか生まれると思っていて。

まず、ひとつめは『参加視点の共有』が出来ること。
ライブイベントでは参加者それぞれに場所が与えられていて、ひとつひとつの楽曲の演出やキャストの表情をこの瞬間&角度で受け取れているのは世界に自分だけという体験にお金を払っていると言っても過言ではありません。

もちろん距離や角度的に『神席』なんて言う場合もあるけど、自分が立ってる場所は常に自分だけの景色だからこそライブは楽しい。(ライブ後に別の場所で参加してたオタクと話すのも楽しいけどね)

そのオンリーワン景色の中で、自分と1番近い景色を並んで受け取れるのが『連番者』なんだと思うんです。
見えてる景色・場所はほぼ一緒だから共有できるものがあるし。隣だからこそライブ後に感想を話した時に見てたものとか受け取り方が違うと、一人じゃ気付けなかったライブの魅力を受け取れてお得。

関係にもよるけど自分が見落としてた自分が求めてるシーンを連番者が『おい、アレ見ろって!!』って教えてくれたりしても楽しいし、さらに仲良ければお互いの推しポイントをその場で教えあったり出来る。そしてここから繋がるのが連番のふたつめの魅力。

②感動を共有する楽しさ


ふたつめの魅力は『感動を共有』出来ること。
これはもちろんヤバいことが起きた時に隣で一緒に食らって心中出来るのが醍醐味でもあるし、知ってるオタクが感動してる瞬間を横で見ることで自分も楽しくなることもあります。

そして、そのライブイベント参加前から隣の人の趣味を深く知ってることによってライブ中に言葉を交わさなくても特定演出が『連番者にとっての推し(弱点)』だと認識出来ることが最高。
ライブの最中に『自分自身の推しではないけど隣のオタクが死ぬほど推してるキャスト(楽曲)だ……』って状況が発生することに独特の楽しさがあるんです。

で、こうなると隣のオタクの限界感情を想像して楽しめるけど、そこの鍵として連番者理解度(シンクロ率)が出てきます。
突発的な演出を受けた時に連番者は何が好きか(何が感動するか)を元々知っていると、その気持ちに共感して自分もすごく楽しめるという裏技。
そして、ここから話が『魂連番』に繋がっていくんですが……

③『魂連番』の説明


上で書いたような『他推しの連番者が受け取る感動に共感して自分もめっちゃ楽しむ』みたいな楽しみ方は、極まってくると隣にその連番者が居なくても発動するんですよね。
極論、大事なのはその友達が隣に居ることじゃなく、その友達が何が好きかを理解・共感してシンクロしてること。こうなるとライブイベントで物理的に隣に居なくてもその楽曲・演出が来た時に『それで死ぬ友達の“魂”』を近くに感じて共感して一緒に泣ける。
ざっくり言うと、これが『魂連番』です。

魂連番(たましいれんばん)
【意味:友人に対してライブイベント特定状況下で共感したり過去に喋った内容を思い出すことで魂を近くに感じて、実際には連番していないのに連番して参加しているような気持ちになること。または、その楽しみ方】

④魂連番は『人数制限がない』


魂連番のまず良いところは『人数制限がない』です。自分の周りでシンクロ出来る友人が増えれば増えるほど魂連番者は増えて、ライブイベントは楽しくなる。実質、連番者分のチケ代浮いてる。

そして増えまくっていくと、楽曲・演出ごとに魂連番者をスイッチさせることで全ての時間が『連番者の推し楽曲』として最強のイベントが誕生します。
そもそも『自分の推しじゃないけど大切な友人が1番好きな楽曲』みたいな感覚を覚えていくと、例え魂連番者が居ない楽曲でもイベント会場を見回して『この中の誰かにとって1番好きな楽曲』として受け取ることも出来るので全体的な楽曲への感じ方が変わりますね。

⑤魂連番は『楽しみにした時間を持ち込める』


あと魂連番の良いところとして『魂連番者との関係・時間を会場に持ち込めること』があります。
そのライブイベントを楽しみにして色んなオタクと話した時間が、全て魂連番者の形でライブ会場に召喚可能になることで日常と地続きにライブイベントの楽しさを見出せるのが良い。
これはライブイベントが楽しくなるメリットであると同時に、それを楽しみにしながら過ごす日常に彩りが生まれるみたいな話。毎週末をライブイベントで埋め尽くすパーリーな日常も楽しいけど、個人的にはずっと楽しみにして研ぎ澄ました感情を持ちこんで少し緊張もしつつ臨む一大ライブイベントが好き。

ともかく、こんな『魂連番』は便利で楽しい概念なのでぜひこれを読んだ方も使ってみてください。
余談だけど、ライブイベントに参加出来ない同志の気持ちを受け取って参加することを魂連番って呼んでる方もいるみたいです。

⑥魂連番に関するエピソードトーク


……と本編的にはこんなとこまでなんですけど。
おまけ話として自分にとっても印象深い『魂連番』に関するエピソードがあって。

自分が昔からこの『魂連番』の話をしていたオタクが居て……”彼”と僕は同じ『ラブライブ!スーパースター!!』ってアニメのオタクなんですけど、2人とも大好きな楽曲でStarlight Prologueって曲があるんですね。
ラブライブ!:部活としてアイドル(スクールアイドル)をするアニメを題材にして、女性声優がライブイベントもやるコンテンツ

これはアニメ1期の最終話で披露された挿入歌楽曲で、これを歌ってるLiella!ってグループのファーストライブもその”彼”と連番で参加して爆泣きしてました。(2年半前)
でも、この楽曲は強すぎるが故に約2年前の追加メンバー加入以降基本的に披露されなくなったんですね。

それを僕と”彼”はいつか必ずまた一緒に聴きたいね~って話していて。
このStarlight Prologueの歌詞が『挫折してた夢を拾い上げてもう一度追いかける』みたいな過去と未来を見つめるテーマを含んでるのがその想いをさらに強くさせたんです。(※歌詞は僕個人の解釈)


で、この楽曲がLiella!のメンバーが増えた後に披露されないまま、昨年末に”彼”が亡くなってしまって。

その直後にあった5thライブツアーの開幕曲として、このStarlight Prologueが披露されました。

もちろん仲の良かった”彼”のことを引きずりつつ参加したライブイベントだったんですけど、その時に本当の意味で僕も『魂連番』の新しい面に気づけて。確かにまた、”彼”と(魂)連番してStarlight Prologueを受け取れたんですよね。

ファーストで”彼”の隣でこの楽曲を受け取ったり、一緒に好きなところを語って過ごした時間が今でも隣にあるんだなぁとしみじみ感じて。


あの時、魂連番者の”彼”はちゃんと床に横転して無様に泣き崩れてました。僕の中ではね。

 

 

 

 

 

※これだけ書くとどんな曲が聞かれそうだから一応貼っときます