トリスのメモ帳(88) Liella!のライブ現場にある可能性

 

こんにちは、トリスです。
今日はLiella!のアニメ2期→3rdライブツアーを通した変化と、実際にライブに参加してみて感じたことについて話したいと思います。
ファン目線での楽しみ方の変化などについても語っていくので、ぜひ最後までお付き合いください。

※ライブ現場という場所を扱うにあたって、主観的な意見が多く含まれるのは避けられないと思いますので、感じ方の異なる箇所がありましたら生温かい目でご覧ください。

 


そもそもLiella!にとっての2期(2年目)って。
ラブライブシリーズでは初めてのグループ結成・メンバー卒業の両方が全く絡まないワンクールですよね。

Liella!は始まった時から3年間の物語になるのがほぼ確定してたので、主人公の澁谷かのん目線で見るとこの年は間の1年でいわば”遊びの年”
だからこそ、そこをテーマにした3rdライブツアーも今までにない飛び道具や挑戦が多いライブだったと思います。
今回からの変化ポイントがいくつかあるのでひとつずつ見ていきましょう。

①フラスタ解禁


まずあげられるのは『フラスタ解禁』。
これが結構大きいなと思っていて、シリーズ内の他イベントでも同時期からフラスタは解禁されているんですけど、Liella!だけの特徴として『①キャストの露出が異常に多い(オタク達の中の人ファン度が全体的に高い)』『②イベント頻度が高い』『③ほぼ同じセットリストでのライブツアー』があると思ってて。
そんな中でこのフラスタ解禁……特にキャラ&キャスト単体に送ったフラスタは本人がツイートしてくれる事もあって、ファンにとっては直接的に応援を伝えられる貴重なチャンスですよね。

特に、フラスタ空白の期間が約2年あったことで、今Liella!を中心に追いかけるファンの年齢層・環境からすると目新しい楽しみ方となっているように思います。
パネルのアレンジの仕方とかで、3年以上前からのオタクなら度々見たことある表現でもTLで『斬新だ!』と話題になってたりもして、そこの文化の再構築は面白いですよね。

同時にキャスト&キャラ単体ではないフラスタの割合は他シリーズに比べて今後も極端に少ないままなのではないかな、と予想してます。

と言うのも。
キャストさんが呟いてくれることをひとつのモチベーションとして出してるフラスタは、グループ全体よりも単体テーマの方が人が集まりやすいですし、イベント回数がツアー通して増えていることでライブ記念にLiella!に出すフラスタというのは相対的に少なく見えると思います。(ファンが1人で出すフラスタなら尚更推し1人に向けたものになりやすい)


でも、これは面白い影響もあると思っていて。
パネルのほとんどにつく『イラスト枠』に色んな人が参加する流れにも繋がるんじゃ無いかなと期待しています。
グループ全体じゃなくキャラ&キャスト1組だけにフラスタを出すならその推しの方にイラストもお願いしたいとなる場合が多く、特にキャスト似顔絵は普段やってない人にはハードルが若干ある気がしますよね。
だから、そのキャスト推してる人にイラストをお願いする流れが発生しやすく、今までより色んな人にイラストが分散→その機会を通じてファン同士の関係が構築されていく予感にワクワクしてます。(無観客や小さいハコから始まったLiella!現場はオタク同士の結びつきが作りにくかった面もある)

②トロッコ解禁


Liella!のライブの面白いポイントのひとつにナンバリングを重ねるごとに使えるステージ演出が増えていくことがあって。
1stはシンプルなメインステージのみだったのが、2ndから花道&センターステージが設置され、加えて3rdではついにトロッコが解禁されました。

このトロッコ解禁と関係がある話題に『2期生加入』があると思っていて、オタクなら知っての通りLiella!のメンバーは2ndライブ後に4人増えて9人になったんですよね。

それが必要だった理由のひとつはライブパフォーマンスの面かな、と。
単純に一期生5人だけでの限界にハコの大きさが来ていたと思っていて。

具体的な例だとDreaming Energyの2番サビで舞台上手でLiella!がぐるぐる回る振り付けとかだと、1stでやっていたようなキャパ数千のハコだとかなり盛り上がるものの、どうしても2ndの会場クラスになるとコンパクトに使っているように見えて。
しかもLiella!の振り付けがキャスト同士が大きく離れると成立しないものが多いのもあって、メンバーを増やすのはパフォーマンス面ですごく大きかったと思います。(もちろん物語面もあるけど、そっちは他ブログとかで触れるので、今回はライブ目線で)

ただ、そうなると後から加入したメンバーは過去楽曲全ての振り付けを覚えないといけない……など負担が増えてしまうところで解決策になるのが『トロッコでした。

ロッコに乗せることで曲振り付けを覚える負担を軽減しつつ、広くなった会場でもオタクとキャストの距離を近く感じさせて満足感を生み出していました。

って言うと、1stの頃から使えば良かったのでは?って思うんですけど。
ロッコ用のスペースを割いたり、演出装置として用意するリソースがあの怒涛のスケジュールツアー×小さいハコってコンセプトと合ってなかったのかなと。実際、選ばれた会場の形的にトロッコが使えない所がほとんどでしたね。



少し話はそれますが。

Liella!現場のオタクって大人しいですよね。

仙台のトロッコ映像を見ていて改めて感じたんですが、キャストが近くに来ても胸元で小さくペンライトを振っているファンがほとんどで、他グループとかなり違いを感じました。
そこらへんは、Liella!ファンの基本スタンスが『推し!応援したい!私信くれ!』みたいな肉食系なものより、『尊さを近くで受け取りたい』『壁になりたい』みたいなやや受動的?なオタクのニューノーマルが足場になって構築されているのかもな、と思います。
ここら辺は声出しが禁止になったことによるファン層・ファン意識の変化とかなり関わった話な気がしますね。

でも、その控えめなファンの求めてる方向性として意外なことにイベンター気質が強い(事前にあまりイメージ出来ないその会場でしか見れない瞬間的な面白さの棚ぼたを期待して見に来てる感)のは間違い無いので、今までのラブライブ!シリーズで生まれなかったスタイルだなと思います。『ライブがイベントじゃなく生活になってる』みたいな感じですかね。


話を戻して。
こうしたトロッコによるキャスト負担軽減の話と繋がるところで、次は逆に『消えた演出』について語っていきます。

③人数削る演出の消滅


 3rdライブに参加する人のほとんどが1stライブを前提にセットリストを想像していたと思うんですが、誰もが驚いたのは挿入歌シングルの話数盤限定曲の披露するタイミング・人数だったんじゃないでしょうか。

と言うのも。
これでまでのLiella!のライブでは基本的に全員楽曲なのに一部メンバーだけで披露する演出が多く盛り込まれていて、特に話数盤曲(GOING UP、1.2.3!など)はその傾向が強かった。

参加している私たちは1stライブでのGOING UPや1.2.3!について、『そういうLiella!独自の演出』だと受け取っていた部分が結構あって。
それが、少ない人数で回すための衣装替え時間を稼ぐためのものというよりも、全体曲の裏にある解釈をライブパフォーマンスとして見せるグループなんだと思っていました。

しかし、3rdではメンバーを削ってのパフォーマンスは(リエラのうたを除いて)消えていました。さっき話したトロッコなどのキャストへの負担軽減と絡めて、こっちが今のLiella!が見せたいライブパフォーマンスなんだと言うのは、少しライブ参加前にイメージしていたのと違くて驚きましたね。

話数盤限定曲というクッションを挟まなくても挿入歌を披露できるセットリストは9人体制のおかげで成立しているはず。
ある1曲を除いて『そこでしか絶対に聴くことが出来ない楽曲』を作らないことを公式も望んでいる感じがするので、今後も全体曲はなるべく全員でパフォーマンスするような気がします。


と言うか。
『ツアーは1公演参加だけでもだいたい満足』の距離感のファンを増やすような売り方に感じますね。ここらへんは肌感なので、今後ひっくり返る可能性もありますが…。

さて、それでは上でわざとらしく『1曲を除いて』と書いた、その例外について次で話していきたいと思います。
そのライブツアー内でしか受け取れないverの楽曲といえば、ファンならもう想像がつくあの曲ですね。

④私のSymphony


誰もが侘びるように頭を差し出す『私のSymphony』について少しだけ語らせてください。

この曲について結構驚いた思い出が、Liella!1stのライブ円盤でのセットリストを見た時。
アニメでの物語をなぞるようなアレンジで披露されたこの曲はセトリ上では『私のSymphony 〜Starlines Ver.〜』として扱われていました。
そして2ndでもまた違うアレンジで披露された楽曲の記載は『私のSymphony ~What a Wonderful Dream!! Ver.~』となっています。
今回の 3rdライブで披露されたver名称もアレンジ担当された森さんのツイートから『私のSymphony ~WE WILL!! Ver.~』であることが明かされてます。


となれば。
この私のSymphonyという楽曲は、ナンバリングが進むごとにその瞬間のLiella!を反映させて“変化していく楽曲”と言えそうですね。


『曲が成長・変化していく』って解釈自体はラブライブ!では珍しくないんですけど、それをこんな力技で表現して、その時にしか参加出来ないライブの思い出を一曲に束ねるコンテンツは新しい

自分に約束しよう

今日の気持ちずっと忘れないよ


転調も含めた『~WE WILL!! Ver.~』はそれ単体での破壊力も過去イチなんですが、例えば『〜Starlines Ver.〜』を見てきた人からすると、かのんだけで歌ってた1番を1期生で交互に歌っていくパート分けや、かのん1人じゃなく9人で一歩を踏み出す振付に、より感動したりしますよね。
『私を叶える物語』を体現したこの曲が、“たくさん行かなくても良い”のLiella!ライブ現場に“たくさん行くからこその思い入れ”を逆に付加してるのが大きいです。

そして、この楽曲が今後さらにどう言った扱いになっていくのか楽しみです。2ndアルバムにも9人版の音源が収録されますし、4th以降も重要な位置でありつづけそうな気はします。

あと私のSymphonyだけではなく、今回12/3から始まった3rdライブツアーは、3日前(11/30)が3期生オーディション受付締切だったことで、未来のメンバーが“そういう目で”見ていることを想像しながら受け取れるライブになっているのも特徴ですよね。
個人的には私のSymphonyでの『「今は楽しいよ」って言いたい!』担当パートが一般公募2期生としての鈴原希実さんだったり、その鈴原さんがTO BE CONTINUEDの最後で手を差し出していたのが好きです。

⑤声出し解禁 ※追記


ってな感じで。
私のSymphonyを見つめてエモい感じでブログを終わろうと思っていたんですが、書いてる途中でLiella!3rdの埼玉公演でついに声出しが解禁されるという発表がされたので追加の文章を足しています。(元々プロット立ててないので別に平気ですが)


まず、Liella!というグループは声出しがない時期に生まれたグループなので、声出しがない前提のパフォーマンスが多いですよね。

それはクラップの文化だったり、振りコピまで行かないものの観客のほとんどがキャストの振り付けに合わせたブレードの動かし方をする文化だったり。ここらへんはツアーの公演数が多いLiella!だからこその特徴だと言えるかも知れません。(Liella!キャストがサビでしている動きの上半身はどの曲も思い浮かぶけど下半身は思い出せないのは、ファンが客席から動かないで真似できるように作られてるから)

そんなグループでの声出し解禁がどう言う影響を及ぼすかは私も分かりませんし、今までにない何らかのマイナス要素になる場面あるのは間違い無いと思います。

でもこの記事を今読んでる方々に伝えたいことがあるとすれば。
声出しには声出しの楽しさがあるし、Liella!キャストがそうした声出しありでのラブライブ!現場の魅力を先輩達から受け取った上でステージに立っているという事です。


そして、これはコロナ禍で声出しが禁止になる前から現場でラブライブ!を楽しんでいる自分への注意でもあるんですが、大切なのは『昔の常識がコロナ禍を経た後の2023年でもスタンダードとは限らない』こと。

例えば、μ's現場からAqours現場で変化して消えた文化はいくつもUOPPPH・警報)ありますし。
例えば、昔はたくさんのオタクが見ていた法被の文化もレギュレーションで禁止されていなくてもほぼ廃れていますよね。

例えば、他シリーズでは寝そべりだった人気グッズがLiella!ファン層ではアクスタだったりします。

痛バ文化もメッセンジャー直刺しからビニール越しに揃えられましたし、声出し文化と一口に言ってもコロナ前後じゃ違うはず。


なので。
そこに合わせたLiella!らしい楽しみ方を自問自答しながら探して、広げて、見つけて、進んでいけたらと思います。


というわけで。
今回は珍しくライブ現場に近い現実視点での話をしてみました。

自分のスタンスとして元々好きなものを大切にした上で新しくあることがより大きな楽しさにつながると思ってるので、オタク的温故知新を大事にこれからもブログとラブライブ!コンテンツ自体を楽しんでいこうと思います。

そして、今回このブログでまとめた言葉が、この先の季節で、誰かが新しい環境のラブライブ!を楽しむ一歩目に繋がることを願っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。