トリスのメモ帳(44) 「なにもないよ、笑えるさ」 普通怪獣の見たシルエット 雑談記事
こんにちはトリスです
今回は少しだけ雑談をしようと思います
内容にあまり生産性がないと言えばそうなのですが、少しだけ仕掛けがあるのでぜひ最後までお付き合いください
【スタート地点】
さて、ついにあと数日で3rdライブが始まります
二期ではときに輝きを探し、ときに輝きを目指し走る物語が描かれました
一期は千歌にとっての『輝きを探すこと』がひとつのテーマになっていたと思います
千歌が初めて出会った輝きはμ’sが楽しそうに歌う姿でした
何かに夢中になりたくて
わき目もふらずに走りたくて
普通な自分でも出来るんじゃないかと思った千歌はその背中を、あるいはシルエットを目指して走り出します
μ'sみたいに輝くってことは、μ'sの背中を追いかけることじゃない
自由に走るってことなんじゃないかな
全身全霊、なんにも囚われずに!自分たちの気持ちに従って!
後に12話『はばたきのとき』で自分たちが目指す景色は「μ’s」の背中ではないと気付きます
その瞬間こそがある意味千歌が自分の輝きを目指して羽ばたき始めた瞬間でしょう
そして、サンシャイン!!は千歌自身と輝きをテーマにした軸ともうひとつの軸が設定されています
それは千歌がスクールアイドルを通してたくさんの人を肯定していくこと
自身のピアノを肯定できず、転校してきた梨子に手を差し伸べた時の千歌は間違いなく輝いていたと思います
そんな千歌だからこそ13話で見上げた空の飛行機雲を笑って見れたのでしょう
飛行機雲は劇場版ラブライブ!で穂乃果がまだ見ぬ広い世界・海外でスクールアイドルを広めた軌跡……μ’sの背中と考えても良いかもしれません
ここで自分だけの景色を探し始めた千歌に、太陽が重なっていきます
彼女自身が輝いていることが分かる絵になっています
あの日、3人で繋いだ手が6人の仲間と合わさって大きな円になった
13話の最後に叫んだ『君のこころは輝いてるかい?』をタイトルにもつCDのジャケットでも9人が円形に並んでいます
私たちが1stシングルとして最初に見たあの曲のPV
トンネルを抜けると広がった青い海の眩しさに、思わず目を細めた記憶があります
千歌にとってのμ’sとの出会いも同じように突然眩しい世界を見つけたような感覚だったようです
そんな憧れのμ’sと同じ音ノ木坂から来た作曲の出来る少女、梨子
まさしく奇跡としか言えない出会いです
しかし、千歌にとっての梨子はそれよりも先に自分と同じように悩みを抱えている少女として出会いました
だから千歌はスクールアイドルを通じて梨子のことを肯定したい
いつか梨子が自分の曲を肯定出来て、また笑ってピアノが弾ける日を目指して
きっと千歌と梨子の触れた指・繋がった手が全ての始まりでしょう
本当のアニメの始まりは1話の最初に受け取ったメイドカフェのチラシですが、あの紙切れが始まりだったとは普通は信じられません
そして13話のステージで千歌が見つけた輝き
千歌がそれまで探していた答えを得たのだと確信しました
しかし、二期1話『ネクストステップ』では夢の中でこの千歌の足元が崩れていきます
無事に0から1へのファーストステップを進んだと思ったのに、次のステップではまた転んでしまう
入学希望者が少し増えたところで、入学説明会も中止になり統廃合は免れられない
千歌たちの2nd seasonは、何を目指して走ればいいのかも分からない暗闇の中でのスタートとなりました
何をすればいいかも分からない
諦めるしかない
【折り返し地点】
だからこそ、諦めたく無い
それが千歌たちの想いでした
叫んだのは普通怪獣の叫びと「起こそうキセキを!」という言葉
最後の最後まで泥臭く足掻いていくことを誓います
千歌の中で輝きに向かって飛んでいく紙飛行機
一期以上に二期は問題との向き合い方がリアルな物語でした
実際、想いがどんなに強くて統廃合は阻止できなかった
それでも、みんなが信じていました
幼馴染なのにお互いを特別視するあまり、同じ目線に立てなかった曜
彼女も決勝戦を前にして千歌と同じ場所にたどり着きます
だって始まりはここだったから
一期で千歌の想いを受け止めた浦女の生徒たちが、今度は二期7話で足を止めそうになった千歌を肯定し背中を押します
一期で梨子の抱える悩みに寄り添った千歌、そして二期では梨子が千歌と同じ目線でAqoursの問題と向き合います
今まで肯定してきた仲間に肯定される千歌
風に運ばれる紙を追う後ろ姿ももう今は一人じゃありません
あの最初のライブで繋いだ手を、よりしっかりと握りしめる3人
そして他の6人と合流して決勝の舞台に向かいます
それぞれの想いと自身を肯定出来た事実が重なり、輝きを目指して全力で走る
流れだすOSTは『Main theme of Loveive! Sunshine!!』……ラブライブ!サンシャイン!!という物語が描くメインテーマここにありと言えるはずです
そんな全力で向き合った決勝のステージ
望んでいた優勝の結果にも関わらず、最終話での千歌の中にはちょっとした切なさと自分たちが輝きを見つけられたことに対する疑念が僅かに見えました
そんな砂浜で一人だった千歌を紙飛行機が浦の星に誘います
まるで、一期1話の風に飛ぶチラシを追いかけた時のように
屋上までたどりついて紙飛行機を拾う千歌
精一杯走り切ったはずなのに千歌は笑って青空を見ることが出来ず、涙を流します
『最後にもう一度だけみんなと歌いたい』
もしかしたらその想いを口にすることなくダイヤたちを見送ってしまったことへの後悔かもしれません
けれど、それは他の8人も一緒でした
だから今度は8人が千歌に手を差し伸べる番です
これこそがμ’sの背中じゃない千歌の目指した「自分だけの景色」でしょう
想いをひとつにした仲間との『みんなで叶える物語』
そしてその輝きはあの瞬間から
きっと始まっていました
千歌と梨子が会った瞬間から?
千歌がμ’sを見た瞬間から?
千歌が風に飛ぶチラシを追いかけた瞬間から?
きっとラブライブ!サンシャイン!!が始まったのはそこでしょう
ですが、その物語が肯定するのはもっと前からの紙飛行機を一人で飛ばしている少女からここまでの全ての軌跡
だから、全ての軌跡が光りだす奇跡
それはもしかしたらサンシャイン!!と出会った私たちにも言えるかもしれません
サンシャイン!!を通じて、それを楽しむ時間だけでなく人生の全てを自己肯定出来るならば、それは強い意味と輝きを持ちます
…さて
そんな最高の物語を紡ぐライブがもうすぐ開幕します
皆さんもそこに向かって走る準備は出来ていますか?
もしこの物語とホンキで向き合って、泣いて、笑って、駆け抜けていけるのならば
そしたらいつの日にか
なにもかもを、笑えるさ
最後まで読んでいただきありがとうございました