トリスのメモ帳(25) 鍵盤蓋という 夢のトビラを、もう一度開いて Pianoforte monologue 考察

桜内梨子とPianoforte Monologueについて話します

 

 

こんにちは、トリスです

ラブライブ!サンシャイン!!二期Blu-ray三巻の特典曲視聴動画が公開されたということで今回はその中でも特に桜内梨子ソロ曲である『Pianoforte Monologue』について話したいと思います

主に歌詞について考える内容が殆どですがよければお付き合いください

 

 

①Pianoforte Monologue

 

BD特典曲とは何か…などについては過去記事で一度話しているので割愛します

 

さて初めての梨子ソロ曲である『Pianoforte Monologue』ですが、その内容はとても優しく胸に響くメロディーと、そのメロディーの上にあるからこそ特別な言葉遊びなどがなくとも強く刺さる歌詞でした

 

梨子が一人でピアノを弾いている姿が目に浮かぶようなイントロには、とある曲を聴いた時にも似た感情を持ったことを思い出します

それは想いよひとつになれですね

特に千歌たち八人の声がないInstrumentalに近いと思います

 

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さて、ここでタイトル『Pianoforte Monologue』ですがどういった意味が含まれているかと言うと

 

Pianoforte:楽器のピアノの本来の呼び名。弱い音(ピアノ)も強い音(フォルテ)も自在に出せるところから。フォルテピアノ

 

こういったところが今回の曲では『強くて弱い梨子』もしくは『弱い梨子が強くなれる』という構図とかかっているようですね

 

Monologueは日本語でもよく言うモノローグですね

意味は簡単に言えば『独白』……ですが梨子というキャラクターを考えれば『独奏』という訳がしっくりくるのでは?という考えが沸いてきます

 

これに関しては両方の意味があると思うのですが、桜内梨子というキャラクターは自分の中にあるピアノを弾くことへの情熱に対して、どこか自分の中にいる別の生き物のような接し方(距離があるという意味ではありません)をする傾向にあるようですので、ある意味では『独白』の方がしっくり来るかもしれませんね

そういった『もう一人の自分』的な考え方が彼女と津島善子の共通点なのかもしれません

 

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また、梨子がこうしてピアノに対する情熱ともう一度向き合うきっかけとなった曲『ユメノトビラ』で歌われている『青春のプロローグ』から受けている可能性もありますね

prologueは序章を意味する言葉ですので、彼女が新しく飼い始めたプレリュード(前奏曲)と関連付けても面白いです

 

そんな『Pianoforte Monologue』……今回は(今回も)メロディーではなく歌詞を中心に見ていきましょう

 

②彼女自身の音を

 

転校生をつかまえろ! 

 

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なんで急に一期2話の話?と思うかもしれませんが、すこし話が逸れます 

梨子が聞きたかった『海の音』は海の中にしか存在しないでしょうか?

 

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私個人の考えとしては千歌の探していた『輝き』がラブライブ!ではなくそこを目指す過程の中にあったように、梨子にとってのその『音』も元々梨子の中にあったものだと思っています

 

水中では、人間の耳には音は届きにくいからね。

景色は真っ暗だし

 

他の音が聞こえにくい場所に行ったからこそ聞こえた自分自身の鼓動のような……一番近くにあるの聞こえていなかった“眠る情熱の音”だと思います

 

心の目で見なければものごとはよく見えない

肝心なことはいつも目で見えないんだ

 

では、『Pianoforte Monologue』のAメロの歌詞を見てみましょう

 

私の中流れ出した音がたくさんあるの

綺麗なだけじゃなくて

でもね、どこか優しい音が

 

自分の中の音を、『綺麗なだけじゃない』と少し否定してみせる梨子には覚えがありますね

 

おねがい!少しだけでいいから


……そんな、良い曲じゃないよ

 

梨子はここまで自分の中から出てきた音である『海に還るもの』を否定していました

ですが、この一期10話を通して自身を肯定し、千歌と「いい歌にしないとね」と言っていたラブライブ!予備予選発表曲として使用した想いよひとつになれにそのメロディーをアレンジして使うに至りました

 

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二話で梨子が聞いた“海の音”もこのふたつと同じメロディーのアレンジ(順番的にはむしろ海の音が先ですね)となっています

このOSTには想いのかけら』というタイトルがつけられていることも大切ですね

 

また、ここでは『優しい音が』と歌っていますが、これも一期2話のOSTである『優しさを伝う海鳴り』と繋がっているようです

(※おそらく作曲後にカットされたようで厳密には使われてはいないのですが)

 

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新しい夢と涙 溶けあったConcerto

 

Concertoは協奏曲を意味するイタリア語ですね

 

協奏曲:単数または複数の独奏楽器とオーケストラからなり,両者の対比と調和を構成原理としつつ、多かれ少なかれ独奏者の演奏技巧を発揮させるように作られた楽曲。

 

新しい夢(スクールアイドル)涙(一度挫折しかけたピアノ)が溶け合った…ということならばこの歌詞自体が想いよひとつになれを刺しているように感じます

 

 

③彼女自身の情熱を

 

これは過去記事で一度書いているのですが改めて書きますね 

 

ラブライブ!の歌詞において『熱』は『輝き』と同じようによく使われる単語です

ですが、サンシャイン!!の中では特に梨子のピアノに対する想いを『情熱』という単語で表すことが多くありました

 

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それは君の中に眠っている情熱

もうすぐ目覚めそう……気づいて!

 

例えば、上の歌詞は梨子のソロパートであることでも印象に残っていると思います

他には…

 

消えない 消えない 消えないでよ

やっと気が付いた情熱なんだ

 

これを踏まえて『Pianoforte Monologue』Bメロの歌詞を見てみます

 

ずっとずっと眠っていたの?

心の熱い願い

目覚めてって あの日きっと

呼ばれていたと気が付いた

 

さて、この『あの日』とはどの日でしょうか

 

これこそたくさんの解釈があってその全てが間違いでないと思うのですが、私の解釈を書きますね

『心の熱い願い』が梨子自身の中にある音を彼女が奏でることなので、大きくわけてふたつ有力な候補があると思います

 

ひとつは梨子が鍵盤を閉じた日

 

もうひとつは梨子が千歌と出会った日

 

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決めたよHand in Handの歌詞を考えると特に後者の方が私にはしっくり来ますね

他の日を考えても面白いと思います

 

 

④ひとりじゃない独奏曲

 

ひとりで向かう鍵盤

だけど感じる ひとりじゃない気持ちは

いつも繋がってるね

 

私はPianoforte Monologueを想いよひとつになれアンサーソングだと思っていません

私たちに届くタイミングに差があっただけであって、想いよひとつになれと対になっている曲だと思うからですアンサーソングを前の曲の続編のような関係と定義するならば、ですね)

 

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これは妄想ですが、11話で梨子がコンクールで弾いていたのはこの曲のメロディーだったと考えても良いですね

それならば梨子の母親があそこで泣いていた意味もさらに強くなります

 

ほらね 本当は一緒だったよ 気持ちはね

やっぱり君と 繋がってる嬉しいね

 

歌詞の切り方もかなり似ている感じがします

他にもCメロの歌詞がそのまま引用されていますね

 

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信じることは出来るから

なんでもおそれずやってみようと決められる

強くなれるの

 

弱さと向き合って強くなっていく梨子、まさしくPianoforteの名前に相応しい独白のようなな歌詞がとても魅力的です

 

 

⑤余談と関連項目 他

 

余談ですが、フル尺のCメロでピアノソロが入り3rdライブで逢田さんが演奏するような演出があったら面白いですね

今からBD三巻の発売と3rdツアーが楽しみです

 

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今回も読んでいただきありがとうございました

 

 

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