トリスのメモ帳(63) ちょこっとメモ集『わたしの実相のヒーロー』『荒野の雨と虹』他
こんにちは、トリスです。
第8話『しずく、モノクローム』が放送されたので今週もショート記事集書いていきます。デン!いつものやつ!(いつもの奴しかない)
あ、少し話が逸れるんですが。
こないだ急に思い付いて。
13話までブログを完走(感想だけに)したら各挿入歌のショート感想も書き足して製本しちゃおうかなってなってます。
誰かの感想と合わせて厚い本にしても面白いかも知れませんね。
即売会とかは考えてませんが、連絡貰えたら製本代だけ貰って作るかも知れません。
……と言うちょっとした発表でした。
まぁ、あくまで此処は私自身のメモ帳なのでそうなるかもぐらいのノリでこれからも行きますが、気が向いたら見て貰えたら嬉しいです。
そんなわけで(どういうわけや)
今週も面白かったとこを見ていくので、ぜひ最後までお付き合いください。
①荒野の雨とカメラさん(3歳児)
前回のButterflyではゆったりしたカメラワークが魅力的だったんですけど、今回のSolitude Rainはその真逆でカメラさんが3歳児みたいな動きしてて最高でした。
前回撮ってたカメラマンさんは亡くなられたのかな?
Butterflyとかはカメラ自体は止まってるか、ゆっくりとしか動かなかったんです。(でもそこをスイッチのタイミングで洒落させてたのが良かった)
Solitude Rainはずーーーっと動いてるんですよ。ハリーと追いかけっこするスニッチ。
サビでしずくの影にピント合わせるのがご機嫌すぎて爆笑しました。
でもカメラが動くってことは、スクールアイドルらしさじゃないですか?
少なくとも演劇の舞台を横に移動するアングルで見たことある人って殆ど居ないですよね。そんなカメラの撮り方してたら迷惑すぎます。
私はカメラアングルフェチ……と言うか演出大好き芸人で、ライブ会場でカメラマンが全力ダッシュしているの見ると興奮します。
だって私たちはこの席から離れられないのに、カメラを握った彼は未来の私達の景色を残してくれているんですよ。興奮しなきゃ失礼。変態じゃなくてノーマル。
Solitude Rainを固有結界(※受け取った人間の意識をベースにして描写されている時間)だと考えたらもっと面白くないですか?
だってあの演劇を見ている人間ひとりひとりはまるで色んな視点から彼女を見ているような気分になって、しかも光の数だけ出来ている影も見えて。
その上で語られる歌詞は……
胸の奥 変わらない
たったひとつの想いにやっと気付いたの
『光の数だけ出来ている影』って言いましたけど、だからこそ原点となる光を見つけたことは彼女の成長なんですよね。
その映像で見えたたったひとつの光は。
彼女のことを見てくれている中須かすみって考えても良いし。
かすみに肯定された彼女自身のオリジナルな想いでも良いし。
もしくは私信だと思い込むファンに感情移入したって良いし。
壁になったって良いし、空気になったって良いし。
でも色んな場所から私達は桜坂しずくを見ていて、どこから見ても理想の彼女だって改めて感じられた舞台…ステージでしたね。
②荒野の雨と虹
虹ヶ咲アニメはスクールアイドルの表現として固有結界に入るんですけど、今回はそれが中途半端なのも面白かったです。
しずくは今劇中の『シアター前の路上』を表現しようとしているのに彼女が立ってるのは演劇の舞台の上なんです。
この映像が『荒野の雨』の中じゃなくて『荒野の雨をやってる虹ヶ咲世界』の固有結界なのが最高。
でも、雨降ってるのが見えるんですよね。
これが『シアター前の路上』なら雨降ってても何もおかしくないんですけど、舞台の上なのに降ってるのが見えるのはおかしいじゃないですか。
よく考えたらそもそも劇の魅力ってそこのはず。
『現実の延長線上に、そこにあり得ない幻を見せる』ってのは舞台女優としての存在証明で、それがスクールアイドル要素も混ざった演出で行われてるから、これはスクールアイドルで舞台女優の桜坂しずくにしか出来ないものだったはずです。
そして。
その幻の雨粒が、しずくだけを照らしてるわけじゃない街頭の光で虹になる流れが美しすぎる。
その先でたくさんのスポットライトが当てられてるのも完璧。好き。
③わたしの実相のヒーロー
今週も中須後輩が良かった話していいですか?
(いいよ!)
と言うか、虹ヶ咲のアニメは半分ぐらい中須後輩が裏主人公みたいな感覚で見てます。
個人回の2話はもちろん、3話では自分と真逆のせつ菜のことを必要と言ったり、6話でも璃奈にスクールアイドルの真理を伝えていたりしましたね。
一応これって各キャラが個人回で出す挿入歌が成長の証なら、直接ストーリーとして繋がっているかはともかく『無敵級*ビリーバー』がある分だけ中須かすみは人生2周目みたいなもんなんですよね。
2次元の物語の中の要素だけじゃなくて、ヘッドライナー務めたせつ菜のCHASE!が1話で流れたのもそうですけど、なんかそう言う現実から持ってくる要素も虹ヶ咲らしさです。
さてさて、中須後輩イケメンだった話させてください。
璃奈の言葉。鏡の中の自分。扉の奥のしずく。
いろんな要素を通して、ひとりで戦ってるしずくに向き合っていったかすみ。
ここでしずくと向き合えること、明らかにシリーズ内の中須後輩に無敵級*ビリーバーありきな特性が垣間見えた感じがして好き。
しずくは誰かの理想の自分を演じていたんですけど、それは大好きの対象が演劇だったからそう呼称しているだけで、人間なら誰もがやっていることなんですよね。
相手に合わせた自分。
理想を思い描く各個人の実相。
その過程をコミュニケーション能力と呼べば璃奈にも繋がっていきますし、背伸びした踵と捉えたら中須後輩も共感できる類。
虹ヶ咲1年生は皆、どこか後ろ向きで前向きなのが良いですよね。
話を戻します。
しずくの白黒のことは表裏って呼んでも良いですし、内外で分けても良いと思います。
だったら、そんな女を殴れるのは中須後輩しか居ませんよね。(※殴ってない)
先月、私は中須かすみのことを『メビウスの帯』って称したと思うんですけど、それを思い出すとしっくり来ていて。
それじゃ、2人が向き合った世界の話をもっとさせてください。
④君に嫌われた君の沈黙が聞こえた
教室の話をしますね。
しずくが独りで練習してる空き教室がアバンで出てきた時はかすみは入らず、練習中の様子を見るに留まります。それがBパートで璃奈の言葉をきっかけに教室内に踏み込むわけですね。
個好ポ(※個人的に好きなポイント)として、この空間が特別な場所として描かれていることがあります。
雰囲気が全然違くて、この教室自体がしずくの精神みたいな感覚。
そんな夢と現実の狭間が作り出されたのは、光と音の魔法がある気がします。
まず光。
2人が向き合った時の光の方向も最高にエモいんですけど、この教室入ってからずっとホコリが光ってるんですよね。
かすみが喋ってるとこで画面右の太陽光とかでずっと光の粒みたいに飛んでるんです。
実際にホコリが太陽光で反射してるのを見た時のことを思い出してみると、なんだか時間の進み方がゆっくりになるような不思議な感覚がありませんか?
2人が向き合ってる世界の不思議な感覚がそれにも表れてると思います。
次に音。
今から語りたい『音』には2種類あって、『劇伴音楽』と『環境音』です。前者から行きます。
かすみが教室に入ってきて、しずくが急いで涙を拭う瞬間、サントラが止まります。
無音の教室の中で向き合った2人。サントラが流れていないからこそ、言葉に詰まるかすみの呼吸が視聴者とリンクしていくような感覚がありました。
スカートを掴んで自分の想いをさらけ出していくしずく。
ここでまたサントラ流れ始めます。
サントラはキャラクターの感情を昇華させたものだからこそ、取り繕ってる間は止まってるんですよね。それが良いな、と。
あと殴る前の拳、かすみも過去にスカート掴みながら歩いて来たことを示すようなカメラアングル。GJ。
同時に教室の空間の環境音についても触れたいんです。
虹アニメは劇伴流してない時はずっとゥーーーーーッって感じの風の音みたいなノイズが入ってるんですけど、教室の内側では『行き場のない風の音』みたいな環境音として鳴っていて。
アバンのかすみ目線でこもったしずくボイスが聞こえたのとも重ねて見ると、なんか行き場のない想い……と言うか隠した沈黙が聞こえてるみたいな感覚。
それが最後の窓を開けたとこで全然変わるのもなんか心が晴れたことが多方面から伝わってきたんですよね。
⑤サントラ大満足賞
コイツまだサントラの話すんのかよ…って感じかもしれませんが、しますよ。(します)
今回の璃奈がイケメンを見せるシーンで流れるサントラ…3話でかすみがイケメンになるメロディーの奴ですよね。
このメロディーめちゃめちゃ好きで、個人回を経た璃奈が成長を見せつけるタイミングでやってくるのが憎いですよね。
それとあと、サントラ最高ポイントで言うと、最後の演劇の舞台上で白しずくが振り向くとこで始まるサントラの入り方が気持ち良すぎました。
あそこってヴィーナスフォートでかすみ&璃奈と別れた直後の黒しずくシーンで流れてたのと同じサントラから繋がって優しいメロディーで挿入歌に繋げてくので『物語が進んでいく』感覚が強く伝わってくるんです。
桜坂しずくって存在とは、劇伴音楽も、固有結界挿入歌も、色んな目線で観れるストーリーも、虹ヶ咲ってスタンスもめちゃめちゃ相性良いですよね。
って、各キャラに対して毎回思ってる気がするんですけど。
毎話『このキャラは最高に虹ヶ咲らしいし、ラブライブそのもの!』って感じることは幸せですよね。
⑥最後に
と言うわけで、今回は8話について見てきました。
前に彼方としずくは自分ではとらえられてないから書きにくいかもって言ったと思うんですけど、なんだかんだで1年生回かつサントラ回ってことで書くことは多かったですね。
演出フェチの私としてはしずくを軸にした24分ってのは見ていて楽しいことが多くて。
影の話とかも合わせてSolitude Rainの話とかももっとしたいんですが、それはまた冒頭に書いた製本時の楽しみに取っておくことにしましょう。
いやでも本当に虹ヶ咲の面白いのは、個人回の主役がそのキャラなのは当然なんですが、主な撮影監督もそのキャラ自身のセンスで出来てることですよね。
前回書いた誰のカメラで世界を切り取っているかの話じゃないですけど、ここらへんも虹ヶ咲を楽しむ上での鍵なのかも知れません。
私たちが他人事じゃなくこの物語を楽しむ立場に引きずり込まれる伏線を張られてるような予感。
高咲侑はいまだにブラックボックスのままですしね…。
さてさてさて。
そんな楽しみもありつつ、今回はここら辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。