善子・梨子・千歌の三人と『見えない力』について、歌詞や一期でのセリフから改めて考えました
二期五話の感想です
今回は可愛かったシーンなどについてはほぼ言及していない記事になります
①桜内梨子と津島善子 ~見えない力と運命~
見えない力はあると思う
善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも
だから信じてる限り、きっとその力は働いてると思うよ
善子が小さいころから信じていた堕天使
しかし、彼女が本当に信じていたのは堕天使ではなくその根本……いわゆる“運命”のような『見えない力』でした
そして梨子もまたその善子が運命と呼ぶ力を肯定します
この二人の意味をもつ“運命”というのは、すでに表れていました
それでもスタートしたのは運命かな
一期三話挿入歌ダイスキだったらダイジョウブ!にてこの歌詞を歌い上げたのは梨子です
そしてアニメ挿入歌ではありませんが、善子がジャケットに描かれたBD四巻特典曲Daydream Warriorでもこの歌詞は歌われました
夢は夢でしかないと 嘆きの果ての 運命は
変わらずに今は Lost love
ロマンチストで現実的思考の持ち主という共通点があるこの二人
バス停で善子を肯定出来たのはそんな梨子だからこそなのかも知れません
②高海千歌と桜内梨子 ~偶然も奇跡もない世界~
想いが繋がって、偶然が重なってここまで来たんだもん
いろんな人がいろんな想いを抱いて
その想いが見えない力になって引き寄せられて
運命のように出会う……全てに意味がある
見えないだけで きっと
ここで梨子と千歌は偶然というものについて話しています
千歌が一期一話で偶然によって出会ったものがあります
それはμ’sですね たまたまチラシを追いかけていてたどり着いたUTXでμ’sと出会いました
千歌がμ’sに出会って以降、自分の目にする『偶然』になんと言う名前をつけていたのかを私たちは知っています
奇跡だよ!!
しかし一期八話を経て千歌は『奇跡』だけでどうにかなる世界ではないと理解しました
だからこそ、それは『偶然』と名前を変え、一期十二話ではばたきの時を迎えた千歌は二期一話で『キセキ』を起こすスタートラインに立ちました
梨子はその全てに意味があるとしました
みんなの想いで未来に進んでいく“今”という瞬間の連続を『運命』と呼びました
だからこそ意味のない偶然も、突拍子のない奇跡も存在しないのですね
また、梨子がその運命(見えない力)を信じているというのはある意味ではG’sの設定を回収しているように感じます
ちなみに星の王子さまは私も好きな本の一冊です
また、果南が言った『繋がる』『重なる』という言葉はサンシャイン!!の世界で強い意味をもつのですが、その話は長いのでいつか機会があれば記事に書きます
私ね、もしかしてこの世界に偶然ってないのかもって思ったの
偶然がないからこそ、それぞれの想いでのみキセキを起こしうる
そして、またキセキと同じようにこの『世界』も『セカイ』と区別されている可能性があります
今回はひとまず『世界』と表記しましたが、そこは意味を考えてみても面白いですね
かわれかわれって今日から 新しい世界へと
僕たちだけの新世界がきっとある
“GO!!”だよ 行かなくちゃだ!
世界っていつだって同じじゃないね
いつものセカイが新しい扉を隠してるの
眩しいセカイで呼ぶ声が聞こえた
この(世界・セカイ)はいつも諦めない心に
答えじゃなく 道を探す手がかりをくれるから
③津島善子と高海千歌 ~堕天使と普通怪獣~
さて、正直に言えばこの章が一番書きたかったことです
結論から言うならば
千歌と善子は対比として描かれているキャラクターなのではないか
きっと私が特別だから見えない力が働いてるんだって
私ね、普通なの
私は普通星に生まれた普通星人なんだって
どんなに変身しても普通なんだって
とにかく私は普通の高校生になりたいの!なんとかして!
頑張って努力して、力を合わせて奇跡を起こしていく…
私でも出来るんじゃないかって
今の私から変われるんじゃないかって、そう思ったの!
普通からキラキラ輝くスクールアイドルに憧れた一話の千歌に対し、一期五話での善子は逆に普通になろうとしています
その善子が捨てようとしていた“ヨハネ”を肯定出来たのは千歌だからこそという感じもしますね
今回で言えば善子が犬を拾ったシーンは一期一話アバンの千歌と対比になっているように感じました
どちらも風に遊ばれて走って、それに出会ったわけです
だから、運命と奇跡
そして、今回言われていた『見えない力』の象徴は風なのかもしれません
思えば一期でもいくつかの場面で風が出てきていたように思います
千歌と梨子が出会った時の劇伴タイトルも『桜色の風』でしたね
また今回のバス停での善子と梨子の会話で、一期五話のバス停での千歌と梨子の会話を思い出したのは私だけでしょうか
一期五話では千歌が普通に悩んでいたことを打ち明けたあとにメンバー皆が個性があるから大丈夫だという答えを提示しました
今回では逆に梨子が悩んでいるメンバーに対し肯定する言葉をかける形になっています
梨子の成長が千歌との関りによるものなのは事実で、もしかすると梨子には千歌以上の周りを見る能力がついてきているのかもしれません
話は戻りますが一期五話と言えば、白い羽を探していたあの時期の千歌が善子に黒い羽を渡すラストシーンにも意味があったと思います
白と黒、輝きと暗黒、普通と特別
様々な対比が千歌と善子には隠れています
なので、いつかこの二人がWセンターの曲も見て見たいなと言う気持ちがありますね
それこそ歌詞のテーマ的には『光と闇のDaydream(Dardreamer)』に近い歌詞が含まれると面白いです
個人的な印象としては、むしろ千歌と善子は幼少期はとても似ていて、千歌の方は一期五話の善子のような“普通になる”選択をどこかで無意識に選んで、それを見事にこなし中学生の頃にはもう普通怪獣になっていたような気がしますね
物語が進む前に千歌というキャラクターの『設定』ではなく、千歌という人間の生きてきた過去の『時間』を想像することが必要かもしれません
④蛇足と関連項目 他
『見えない力の象徴が風』と上で書きましたが、想いが繋がって『見えない力』が生まれるのならば、紙飛行機の意味も見えてきているのでは?
光る風になろうというのは紙飛行機を飛ばす運命を勝ち取る宣言のようです
それ以外でも今回は未来の僕らは知ってるよの歌詞を思わせるセリフが多かったように感じます……『引き寄せる』という表現などですね
とりあえずは前半最後の山場となるであろう挿入歌の含まれる次回までに考えておきたいところです
あと全く関係ないの話ですが、三話感想と同じように記事タイトルを好きな曲の歌詞で『あの透明な彗星は 透明だから無くならない』にしようか迷いました
記事の主題にあってないのと長すぎるのでボツになりました
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