トリスのメモ帳(23) WBNWの歌詞のKiRa-KiRaした『間』の取り方 WATER BLUE NEW WORLD 歌詞考察②
『WATER BLUE NEW WORLD』歌詞考察記事です
こんにちは、トリスです
今回は#12『光の海』挿入歌『WATER BLUE NEW WORLD』の歌詞について考えたいと思います
今回はかなり感覚的でぼんやりとした記事になりますが、ぜひ最後までお付き合いください(かなり短い記事です)
①あきらめない! 言うだけでは叶わない
あきらめない! 言うだけでは叶わない
二期一話では『諦めが悪い』とお互いに評しあったAqoursですが、結局廃校は阻止出来ませんでした
そんな『あきらめない』という姿勢はAqoursの過去の歌詞でも深く扱われてきたテーマです
いっしょにだったら 飛べるかな
じゃあためらわないで もうあきらめたくない
うまくいかないって あきらめたら
きっと後から悔しいよ
そんな『悔やみたくなかった気持ちの先に広がった世界を泳いできた』Aqoursというわけで
同じ泳ぐというワードが使われた未熟DREAMERではその前段階を次のように歌われましたね
それでもあきらめきれない
自分のワガママ 今は隠さないから
そしてこのテーマは一期後半でもブレていません
なにかをつかむことで
なにかをあきらめない
夢が生まれ 夢の為に泣いたときでも
あきらめないことでつながった
悔しい想いが諦めない強さをくれた、という歌詞が含められた『勇気はどこに?君の胸に!』にも繋がっています
いっぱい躓いた悔しい想いが
強さをくれたんだ
あきらめなきゃいいんだ
そんなAqoursだからこそ「勇気は誰の胸の中にもある」ということを歌えるのかも知れません
それこそ十二話で出てきた道を歩く少女目線でSKY JOURNEYの歌詞を考えることも出来ると思います
夢叶えたいからいつでも あきらめないことが大事だと
なぜ本気で語れるのだろう?
勇気が伝われば大丈夫 そんな熱い想い君から受け取った僕もいま熱いよ
そんな『言うだけでは叶わない』『あきらめない』こと
Aqoursがそれを叶えるために出した結論は……
②うごけ! うごけば変わるんだと知ったよ
うごけ! うごけば変わるんだと知ったよ
実はこの歌詞、過去のとある曲で一曲かけて扱った言葉をかなり色濃く反映しています
それはStep! ZERO to ONEですね
曲の歌詞を見直した時にやはり面白いのは一番と二番で歌詞が変化する場所などで、そこを見比べることで新しい発見や感動が生まれるのが快感なわけですが、Step!ZERO to ONEは特にそれがあります
ゼロから一歩は勇気が必要
変わりたい Step! All Right!!
歌い出しのこの歌詞が最後には
ゼロから一歩は勇気が必要
動き出せ Step! All Right!!
に変わります。そのプロセスがサビの歌詞で現れています
ゼロからイチの扉を開けよう
変わりたいときなんだ
ゼロからイチの段差を超えよう
動きたくなりそうだ
変わりたいという想いが、動きたいという衝動に、果ては動き出せという命令形に進化していく流れですね
そして動くことでゼロをイチにしたのが一期十三話だったと思います
それを踏まえた歌詞がこの『うごけ! うごけば変わるんだと知ったよ』なのでしょう
③“ずっと” “きっと” “だから”
ずっと ここに居たいと思ってるけど
きっと 旅立ってくって分かってるんだよ
唐突ですがクイズです
現在60曲前後発表されているサンシャイン!!楽曲の中で歌詞に『ずっと』と『きっと』が両方使われている楽曲は何曲あるでしょうか?
正解は12曲です
約二割の楽曲には『ずっと』『きっと』の歌詞が両方使われているということになります
実はこれは韻を踏む関係もあってよくセットで使われているんですね
特にオープニングテーマでは両方で使われています
はじまったときの ときめきずっと大事にね
変えたいと思う 気持ちがきっと大事だよ
ずっと一緒に行こう!
未来の僕たちはきっと答えを持ってるはずだから
そんな使い慣れた歌詞である『きっと』『ずっと』をここで使ったわけですが
その後の歌詞である
だから この時を楽しくしたい
も含めて、今までとは少し違った間の持たせ方をしています
ここから先はかなり感覚的な話なのですが、よく使う副詞や接続詞に間を持たせることで、基本的に画面の情報量に負けて一度で全ては聴き取れない歌詞が、なぜか初見で単語の印象で感動できるという状況が起こります
この手法が使われた歌詞は過去にいくつかありますが、特に顕著なのは前作『ラブライブ!』で同じ二期十二話で発表された『KiRa-KiRa sensation!』です
奇跡 それは 今さ ここなんだ
これは『奇跡』を『今』『ここ』と繋いでいるラブライブ!楽曲でもかなり重要な歌詞ですが、ここで『それは』という歌詞は、例えば『は』という一語の助詞でも構わないはずです。
そうではなく『それは』を入れているのは音の強弱のように一度緩めることでその後の『今さ』に張りを出しているわけですね
頭韻法的な感覚とは別に、一見情報量の少ない言葉が強調されているのも聴いていて楽しく、思わず口ずさみたくなる理由ですね
つづく