トリスのメモ帳(22) 『今』をかさね…そして… WATER BLUE NEW WORLD 歌詞考察①

『WATER BLUE NEW WORLD』歌詞考察記事です

 

 

こんにちは、トリスです

今回は#12『光の海』挿入歌『WATER BLUE NEW WORLD』の歌詞について考えたいと思います

とはいえ、かなり短い記事なので軽い気持ちで読んでください

 

※この記事の中ではWATER BLUE NEW WORLDのことを『NEW WORLD』と略すことがあります

 

 

 

①『今』とは何か

 

どの曲でも構わないのでAqours九人の曲を一曲思い浮かべてください

 

 

 

……では、その曲に『今』という歌詞は使われていますか?

 

 

 

実はこの質問は半分以上の確率で“YES!!”と答えるつくりになっています

 

その瞬間の中で輝くラブライブ!楽曲の歌詞にとって『今とは何か』『今の中で何をするのか』『未来のための今なのか』というのはかなり中心的な命題であると言えます

これまでの楽曲ではそれがどのように歌われてきたのかを見てみましょう

 

今…みらい、変えてみたくなったよ!

 

そもそもラブライブ!サンシャイン‼というコンテンツの始まりの歌詞はこれでした

ここから始まったAqoursの歌詞では前作ラブライブ!でのμ’s以上に未来を見据えた歌詞が多かったように感じます

 

また『今』ではないものの、それとかなり近い意味で使われている単語として『今日』や『今度』などがあります

 

動きそうで動かないときだって 開き直って

こんどこそ こんどこそ

ゼロからイチの段差を越えよう 動きたくなりそうだ

でもねこの先の未来は謎のままだよ

 

そしてふたつのナンバリングシングルを経て幕を開けたTVアニメシリーズ

そのオープニングテーマでも現在地としての『今』が始まりの地点として語られています

 

はじめたい! My Story (さぁっ いまだ)

青い空が待ってる

 

ステージのことだけでなくNEW WORLDが青空Jumping Heartと深く繋がっていることは歌詞を比べてみても分かると思います

 

かわれかわれって今日から新しい世界へと

かわれかわれって元気に背中押してみよう

 

そして今回の歌詞を受けてMIRAI TICKETの『僕たちだけの新世界』を思い出した方も多いかと思いますが、初出はこちらですね

 

ユメを語る言葉より ユメを語る歌にしよう
それならば今を伝えられる気がするから


ユメを語る言葉から ユメを語る歌が生まれるんだね
ひろがるこの想いは 大好きなメロディーのつながりだよね
もう逃げないで 進む時だよ あたらしい場所

 

また、EDテーマであるこの曲でもそれは歌われています

特に『ひろがるこの想いは大好きなメロディーの繋がり』という歌詞はNEW WORLDの『夢が見たい想いはいつでも僕たちを繋いでくれるから』という歌詞に進化していったように感じます

言うならば『Singing my song for my dream!』から『Singing my song for my dream(MY NEW WORLD)!』というニュアンスでしょうか

 

※『夢で夜空を照らしたい』『未熟DREAMER』に関しては次の次のNEW WORLDの考察記事で触れたいと思います

 

これからだよ 今はもう迷わない

あこがれ抱きしめて 次へ進むんだ

僕たちだけの新世界がきっとある

 

そして多くの人が思い出したであろうこの歌詞ですね

 

 

②『今』の大切さ

 

今は今で昨日と違うよ

 

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今回の歌い出しです

とあるアイドルは同じ舞台で『どんな明日が待ってるんだろう?』という問いから歌い始めました

今まで『わからない』という歌詞をしきりに使っていたAqoursはこの舞台で堂々とこの言葉から歌い始めます

 

明日への途中じゃなく今は今だね

 

歌い出しの『今≠昨日』との鮮やかな対比

 

一期のAqoursの『今』の多くはそれをゼロである(スタートライン)であることを自覚した歌詞が多く、そこからスタートするための歌でした

ですがここで歌われる『今』は明日という“ゴール”への途中ではなく『今』をただ『今』とだけ定義しています

 

そもそも千歌の願いはゴールよりもそこへ走る瞬間の連続に重きを置いていたようです

 

余談になりますが『Journey』というのは同じように訳される『Trip』『Travel』とは少し違います Trip:どこかへ行って帰ってくるという意味の「旅行」で名詞 Travel:長期間の『旅行』の意味をもつ動詞 Journey:移動する期間・時間の『旅』をさす名詞 Jouneyは旅から得る教訓・成長・進歩など、結果ではなくプロセスを重視するといった意味の比喩的な表現として使われます。 そう考えるとSKY JOURNEYというのは『全てを楽しんで進んでいきたい』というAqoursのコンセプトとよくあったタイトルですね

トリスのメモ帳(16) 届かない星だとしても サンシャイン!! 二期六話 感想 - トリスのメモ帳

 

この瞬間のことが 重なっては消えてく

こころに刻むんだ WATER BLUE

 

この歌詞から『方丈記』の有名な言葉「ゆく河の流れは……」を思い出しました

 

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず

 

『今』の大切さを知っているAqoursですが、では『今』でなくなった『過去』はどこに行くのか?

『今』だけが『今』で大切で、それが『過去』になってしまうことを考えれば何も残らなくなってしまいます

 

だから、代わりにその『今』をこころに刻んでいく

 

今をかさね そして 未来へ向かおう

 

そして未来へと進むというのがAqoursの答えなのではないでしょうか

 

 

③『世界』とは何か

 

最後に、今回のタイトルにもなっている『世界』について考えます

※世界・セカイ・WORLDを全て同じものとして話します

 

実は『世界』というのはAqours楽曲の中で何度か出てきているキーワードです

そしてここまでに出てきている『世界』は基本的に三つに分類されます

 

その分類となる三つを紹介する前に青空Jumping Heartの歌詞を見てみます

 

いつものセカイが あたらしい扉を隠してるの

まぶしいセカイで 呼ぶ声が聞こえた

 

この対比として歌われている『世界』が一期中盤まで……具体的に言えば十二話までで中心的に扱われている二種類の『世界』です

 

そしてそれに加わる三種類目の『世界』が今回も扱われた『新世界』ですね

 

上にあげた決めたよHand in Handの『かわれかわれって今日から新しい世界へと』という歌詞もこれに分類してよいと思います

 

では、今までに登場した『世界』を見てみましょう

 

僕たちだけの新世界がきっとある

 

 "GO!!"だよ 行かなくちゃだ!

世界っていつだって同じじゃないね

 

この世界のなかで 輝きたいこころが

集まるとき 新しいこと思い付き走り出す 

 

 

 そんなキーワードである『世界』ですが、

この『世界』という言葉はとある単語に変換できます

 

 

韻が踏めるということも合わせて、ほぼ全ての歌詞でとある単語に入れ替えても意味が通るように作られています

(おそらく畑亜貴先生のラブライブ!観によるもので、μ'sの頃からです)

 

 

Aqoursが新しく変えたかった『世界』とは何なのか?

 

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これは、『世界』を『未来』と置き換えることが出来ます

 

Aqoursが元居た「母校が廃校する」という世界(未来)

 

μ'sが見せたような「スクールアイドル活動によって廃校阻止」というまぶしい世界(未来)

 

そして、二期後半でAqoursが追いかけているものこそ新しい世界(未来)なのではないでしょうか

 

 ではNEW WORLDの歌詞の世界を未来に置き換えて読んでみると

 

悔みたくなかった気持ちの先に

広がった世界を泳いできたのさ

 

きっとAqoursがここまで歌ってきた『今』と『未来』の関係

タイトルにもなっているこの曲の『世界』というテーマとの関りが深いことが分かると思います

 

 

 

 

P.S. 世界を未来に変えてSKY JOURNEYを読むと、何かに気付くと思います

 

 

つづく