トリスのメモ帳(20) 続・サンシャイン!!のOSTがヤバい 二期十話 感想

二期十話の感想記事にみせかけたOST記事です

 

 

こんにちは、トリスです

今回は#10『シャイニーを探して』の感想記事というていで二期のOSTの話を沢山したいと思います。10話自体の内容に関しては控えめになります

 

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そもそもOSTとは?魅力とは?といったことに関しては前に別記事で書かせて頂いたので、今日はよりマニアックな話になりますがぜひお付き合いください

 

【※注意※】

ここからはトリスのメモ帳(14)を読んでいる前提での話になりますので、未読の方は是非そちらを読んでから先にお進みください

 

 

①ようこそOSTの世界へ

 

ようこそOSTの世界へ、はじめましての方ははじめまして

お久しぶりの方はお久しぶりです

OSTの記事を書くのは二回目ですね

 

OSTとはアニメで使われる劇伴音楽のことで、サンシャイン!!ではその全てが加藤達也さんによって作られています(ここではAqoursが歌う挿入歌などを除いた、いわゆるBGMについて扱います)

それぞれのシーンで感情につけた魅力的なOSTについてはアニメを見た方なら身をもって感じているとは思いますが、その奥の深さに関しては作画やストーリー以上に一度見ただけでは理解しにくいものとなっています

 

特にサンシャイン!!においては『裏メインテーマ』というものがあります ※1

サンシャイン!!では作中の感動的なシーンで使われるOST同士が同じメロディをそれぞれにアレンジしたものが使われていて、それを裏メインテーマと呼びます

つまり、裏メインテーマはひとつではありません

 

その違いなどにも目を向けることで新たに見えてくるものもあるということを今回はご紹介します

 

1期OSTとして使われた裏メインテーマ

『FRIENDSHIP』『DETERMINATION』『友情Diary』『一番大切なもの』『素直になれなくて』

 

また、2期では1期から裏メインテーマのメロディが一新され、『FRIENDSHIP』とは別のメロディを相互アレンジしたOSTが感動的なシーンで使われています

つまり、裏メインテーマは1期裏メインに属する数曲と2期裏メインに属する数曲が存在します

 

ここで面白いのは2期では1期で使われていたOSTも登場することです。もちろん、それは1期裏メインテーマも例外ではありません

OSTを好きな人間にとって2期は挿入歌で例えれば『未来の僕らは知ってるよ』と『青空Jumping Heart』が1話で両方流れているようなものなのです

 

……面白いと思いませんか?

そんな新しい楽しみ方で2期を見てみましょう

 

※ここからはただ『裏メインテーマ』という言葉を使う場合には2期の裏メインテーマのみをさすものとします

 

 

②#1~3 三個の裏メインテーマ

 

#1は裏メインテーマの話をする上でどうしても外しては語れない回です

それは#1こそが裏メインテーマの面白さを詰め込んだような回であるから

 

一話アバンには、第一の『裏メインテーマ』

一話Bパートには、第二の『裏メインテーマ』

 

この回では二種類の裏メインテーマが使われています。面白いのは第一裏メインと第二裏メインはテンポが全く違うこと

第一裏メインは「ララ・ララ・ラララ・ラララ♪」という女性ボーカルが入ってることからインパクトも強かったのではないでしょうか

 

イントロを最初の15秒程度だけでも聴き比べれば同一のメロディが使われていることが分かると思います

 

 

次にこの裏メインの“サビ”となるメロディを聞いてみましょう

特に第二裏メインは二期裏メインテーマ全ての中でも最もスタンダードなOSTのようなので他との対比が分かりやすいと思います

第一裏メインの方はゆっくりとしたテンポながらも少しずつ希望が集まっていくようなイメージを受けますね

 

 

 

 また、一話Aパート最後では一期裏メインである『友情Diary』

二話冒頭では同じく一期裏メインである『DETERMINATION』が使われました

 

そして迎えた第三話ラブライブ!予選会場での「勘違いしないように!」は一期三話でのダイヤの台詞を借りた鞠莉の言葉でしたが、そこで使われたのは一期裏メインOST『素直になれなくて』でした

こちらは一期九話の「ハグ……しよ?」で使われたことでかなり多くの視聴者が感動的なOSTとして覚えていることと思います

 

そして挿入歌「MY舞☆TONIGHT」披露後、走り続ける千歌たちに第三の裏メインテーマが流れ始めます

 

 

知っての通り、ここから繋がるのは「君のこころは輝いてるかい?

一部の楽曲にはライブ限定のイントロが存在するように、まるでこのOSTが「君ここ」のアニメ限定イントロであるような印象を受けました

 

 

③#4~6 第四の裏メイン と “二年前のメインテーマ” 

 

 続く#4では第四の裏メインテーマが流れました

今までの裏メインに比べて軽い雰囲気を感じさせるOSTですが、サビのメロディは確かにそのままです

 

 

ちなみにこれは#9のAパート最初でも使われています

あちらはルビィが理亞とライブをしたいことをホテルで花丸と善子にうちあけるシーンですので、この裏メインは『黒澤姉妹のテーマ』ということになるかもしれません

姉妹それぞれが同じ学年の二人と異なる絆を結んでいるのが面白いですね

 

#5はノクターンに別れを告げるAパートラストのシーンで一期裏メインである『友情Diary』が使われていますね

 

#6では二期裏メインは使われていません

代わりに新しいOSTが使われています

 

 

これを私は“二年前のメインテーマ”だと思っています

そして果南が二年前から引きずってきた問題でかかるこのテーマには続きがあります

 

 

見れば分かると思いますが、これもまたOSTの面白さが詰まっています

 

また、これと同じテーマが#9のルビィと理亞の面接シーンでも使われています

この二つにどんな共通点があるかはこれを読んでいる皆さんそれぞれにも考えて頂きたいですね

 

 

④#7~8 『浦』メインテーマとルビィの成長

 

章のタイトルが寒いことは自覚しています

#7で登場した第五の裏メインテーマは『浦の星女学院』のテーマです

ここまでの4個の裏メインを見てきた方ならこれの感情とのシンクロの仕方がいかにすごいか分かると思います

 

 

「輝いて!」からのサビの流れ

そして「やめるわけないじゃん…!」から……消えかけていた炎がまた大きく燃え上がるような千歌の『純粋な欲』、歌詞でもよく扱われる“パッション”がダイレクトに伝わってくるOSTですね

 

#8では、ルビィと理亞の会話の裏で流された第6裏メインテーマ

 

 

一期からかなり高い音が自身の心情のモチーフとして使われていたルビィ

その例に漏れないテーマから、ゆったりと低音へ

どこか落ち着いて成長が現れたような音の流れが非常に美しいOSTです

 

 

⑤#9 攻略不可能OST回『Awaken the power』

 

これに関しては前回の記事で散々書いたので、ありのまま9話のOSTの構成の破壊力について事実だけを書いていきます

特に強いのは前半ですね

 

アバン開幕 一期裏メインテーマ『DETERMINATION』

OP挟んで 二期裏メインテーマ④

続いて 一期裏メインテーマ『一番大切なもの』

からの#6で使われた“二年前のAqoursのメインテーマ” 

 

改めて見てもどれだけこの回に力を入れてるかが分かる回だったと思います

 

ですが、そんな#9同様……いえ、それすら比べ物にならないレベルでOSTが強かった回があるのでそれについて次で話します

 

 

⑥#10 七番目の裏メインテーマは『見えてきた終わり』

 

 

もうこれに関しては聴いて感じたことが全てで、ここに私の解釈を書くことに若干の躊躇いがあるのですが、皆さんはこの先を読んだ上でこのOSTに対して自分なりの解釈をつけていただければ、と思います

 

この七番目の裏メインは今までの六曲とは明らかに違います

まず、“サビ”部分が短すぎること

次にサビフレーズが半分で止まって低音のピアノが挟まれ、その後にもう半分が……という形になっていること

 

これを私は今までのAqours青春や駆け抜けてきた“今”を彩っていた裏メインテーマが、Aqoursの終わりが見えてきたことで変化した形なのかな、と思っています

 

Aqoursが居るのはこの三人がいるトンネルのようなものでそこを抜ければ全員別々の道を歩き出す

つまり、裏メインテーマはラスサビに入っているということ

 

ではその中で千歌たちが見つけた答えはなんだったのでしょうか

 

 

⑦#10 二番を見送って、八番に答えを掴む

 

この回のOSTが強いことは裏メインテーマに関わることだけではありません

九人で星を見に行くことを決めた三年生三人

そこから場面が移った千歌がお年玉を探して走り回るシーン

 

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ここにで使われているOST『It's a sunny day』に関しても強い意味を感じます

今回の話の中心がだったことは言うまでもないでしょう

 

そして千歌の家から鞠莉の車で走りだした九人

 ここで流れ出すのは#1のラストでも使われた二番目の裏メインテーマです

まさかの二連続で二期の裏メインテーマですね

 

 

実はここ、一話と流れ始める場所が同じなんですよね

自宅から走りだして学校に向かう千歌に合わせて第二の裏メインが流れた#1

 

ここでは同じように千歌の家からスタートして海沿いの道を走っていきます

ですが、向かう先は違います

 

十話の内容に対する解釈をここに書くつもりはないので省きますが、走り続ける鞠莉の車は空を飛んで月を背景に影になります

その後のシーンを見てください

 

 

 これのものすごく面白い点が、このイントロ前半のメロディが今までの裏メインのイントロとは全く違うことですね

 

ですが、裏メインに慣れ親しんだ視聴者だけが初登場のこのOSTが間違いなく『八番目の裏メインテーマ』であることを初見でも開始数秒で確信出来ました

 

それは、このメロディの一音目が始まる直前に小さく流れている音が#1のアバンと全く同じだから、ですね

 

 

そして確信が正しかったことを知っていくサビへの流れ

その先にあったのは、今までで最も感動的な第八の裏メインテーマでした

 

 

「まさか裏メインテーマが三連続で来るはずがない」

「直前で流れた七番目の裏メインテーマが途切れかかっていた。八番目は存在しないはずだ」

 

そんな 『当たり前』を壊す三連続裏メインテーマの最後は、Aqoursの“答え”のメインテーマ

 

この第八の裏メインテーマに重なってずっと降っている雨の音すらも愛おしくなるのは#2『雨の音』があったから 

 全てに意味があったのだと、そう思える第十話でした

 

 

⑧蛇足と補足と関連項目 他

 

以上がここまでの二期で使われた裏メインテーマの感想と十話がいかにOSTが強い回だったのかという説明でした

 

また、今回の記事を書くにあたって二期のOSTを全て書き出したのでOSTに関する記事を書かれるブロガーの方などはぜひご活用ください(※新規OSTに関しては私が仮の名前を付けているだけです)

 

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上の二枚を繋げたverです

こうやって全体でみるといかに#9の前半と#10の後半が強いか分かりますね

 

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〇注釈

※1:『裏メインテーマ』は私が勝手に名前を付けて呼んでいるだけなので、加藤さんの公式の言葉を借りて厳密に言うなら『テーマメロディ』でしょうか 

 

今回もここまで読んでくれた皆さんと、このような素晴らしい音楽を作ってくれた加藤さんへの感謝とともに、お別れとしましょう