Aqours曲のInstrumentalがとてもヤバいので、それを記事にしました(ちょっと長めです)
- ①そもそもInstrumentalとは?
- ②Instrumentalの魅力とは
- ③ダイスキだったらダイジョウブ! (Off Vocal)
- ④未熟DREAMER (Off Vocal)
- ⑤Daydream Warrior (Off Vocal)
- ⑥想いよひとつになれ (Off Vocal)
- ⑦想いよひとつになれ (On Vocal) Instrumental.ver
- ⑧蛇足と関連項目 他
①そもそもInstrumentalとは?
Instrumental(インストゥルメンタル)
意味:ボーカル歌唱のある楽曲に対し、そのボーカル部分だけを無くした音源のこと(いわゆる“カラオケ”とはコーラスパートの有無やMIDI音源かで区別される)
ランティスから発売されるCDでは(Off Vocal)と表記されるようですね
サンシャイン!!でのユニットシングルやアニメ挿入歌・OP・EDシングルではメイン2曲に対してそのinstrumental.verが収録されます
またBD特典曲などに関しても同時に収録されているので、スクフェスで好きな曲を知った人の中にはフルサイズだけでなくそれを目的にCDやBDを購入する方もいるかもしれません
今回は私がそのinstrumentalを好きな理由、特にinstrumentalが魅力的な楽曲について記します
②Instrumentalの魅力とは
Instrumentalの魅力は大きく分けてふたつあります
まずひとつ目は、ボーカルがないことでその楽曲で使われているギターやベースなどのメロディーラインをはっきりと確認できることです
歌唱パートと被る低音に関しては単体として聴くことでの快感というのもあると思います
特にAqoursではこれで確認することで面白い楽器が一つあります
つまり桜内梨子の比喩として使われる楽器…ピアノですね
もちろん、ただのピアノとして使われることもありますが、彼女の存在を頭において聴くことによる発見はあります
もうひとつはInstrumentalを聴くことでその後に聴くOn Vocalの意味が変わることです
これについては後述しますが、物語の意味と深く関わる楽器のメロディーを意識することでボーカルや歌詞がさらに面白く感じられることがあります
また、Instrumentalを聴いている時、自分の中に自然とAqoursの声が聞こえてくることがあります
これが起きるようになるとライブなどでどこがアレンジされたかを瞬時に理解できるので、そこでニヤリと出来るという点も良いですね
こういったInstrumentalこそある意味では
『無』と言うのは全てがないのではなく
『無』と言う状態があるということ
なのだという考え方も出来ますね
次からは具体的にAqours曲でInstrumentalが魅力的な曲を挙げていきます
③ダイスキだったらダイジョウブ! (Off Vocal)
言わずと知れた第三話『ファーストステップ』挿入歌
この曲に関しては物語の中で千歌たちがある意味でInstrumentalの逆であるボーカルのみのアカペラで歌うシーンがありました
だからこそこの曲のInstrumentalは何度も聴いているひとも多いかも知れません
まずこの曲のInstrumentalで私が好きなのは一番最初の『キラリ!』の部分の音ですね
他のバンドサウンドに比べて少し音の質が違うように感じる高音の部分ですが、歌詞に合わせて三音で鳴っています
なので、まるで幕が上がった時の三人を照らす三方向からの光、もしくは三人自身の“トキメキが生まれた”音のような印象を受けますね
そんなきっかけを表すような音に三人のボーカルが乗っているというのも素敵です
また、この曲はAメロBメロではほぼドラムのみでシンプルですが、強調したい部分ではボーカルの歌うメインメロディーを後ろから支えています
注目したいのはサビ部分……千歌たち三人の歌とは別のメロディーラインで曲を展開させつつ、その歌と完全に調和している
私個人の感想としては暗い雲に覆われた空を三人の歌が雲をどかして青空を作っていくような、どこか積極的に輝きを求めるエネルギーを感じるメロディーです
ラスサビ前の『知らないことばかり~』にあたる部分では、最初の『キラリ!』に近い音が出てきますがそこは少し弱いように感じます。それが強くなっていくドラムとともに大きくなっていくような部分は、まるで三話の停電の後に美渡たちに助けられてもう一度ライブを続けることが出来た千歌たちと重なるようでとても面白いですね
これはInstrumentalのあとにOn Vocalを聴くことでより分かります
④未熟DREAMER (Off Vocal)
これに関しては説明することがあまりありませんね
本当に聴けば分かります
音楽関係に造詣が浅いので楽器の名前を全てあげることは出来ないのですが、アコースティックよりのゆったりとしたサウンドに様々な和風楽器的音が仕込まれているので単純に聴いていて楽しいです
特にAメロの少しずつ楽器が増えていきリズムが細かくなっていく様子は、三年生・Aqoursが一人ずつ集まっていく姿をイメージさせられます
『今日の海を』に合わせて鳴る音はMY舞☆TONIGHTと同じように黒澤姉妹イメージの衣装と合わせて琴を弾いた姿を思い浮かべますね
そこからのサビ入りで電子音に合わせてレーザーライトが伸びる姿は1stライブでも再現されていましたが完璧です
⑤Daydream Warrior (Off Vocal)
この曲のInstrumentalの良さはなんといってもシンプルながら低音域の一定のリズムから聴いていて安心感と快感があることですね
Aメロに関しては似たメロディーの繰り返しを続けているからこそ、そこに加わる微妙な変化を楽しめます
歌詞からのイメージで言うとこの曲は何らかの戦いの中の曲でありながら目の前に敵がいるわけではない……なんというか情景としては『静』的な中で揺れ動く心情を歌っています
例えば、Aメロで一定リズムを刻む低音を『探しながらも見つけたくない』自分の足音(もしくは呼吸)と考えてみます
すると『気配が消えた…? 私の呼吸が 荒く激しく たどる手がかり』の一瞬の静寂から足を止めたり呼吸を我慢して気配を探っているかのような緊迫感が伝わってきますね
二番ではここにあたる部分での低音が完全に消えているのも、立ち止まって自分の頭の中で悩んでいるように感じられます
またライブでは高まりすぎて記憶無くすこと必至の間奏(いわゆるスーパーあいきゃんタイム)ではコーラスが抜かれてるので落ち着いて聞けるのもInstrumentalならではですね
⑥想いよひとつになれ (Off Vocal)
この曲のために今回の記事を書いたと言っても過言ではないです
とは言え、この曲のInstrumentalのもつ意味はあまりにも有名です
Aqoursが関わっている部分がなければラブライブ!サンシャイン!!の楽曲としては不十分でありInstrumentalは聴く必要がないという意見がありますが(私はそうは思いませんが…)、この曲だけはたとえInstrumentalでもAqoursの存在を無視できない作りになっています
それは先述した『桜内梨子のピアノ』の存在ですね
これは1stライブで逢田梨香子さんが実際に演奏したことでもさらに意味合いが強くなりました
もしかすると、あの二日目の後に原曲だけでなくInstrumentalも聴いていた人は少なくないのではないでしょうか
10話で千歌と梨子が出した答えを体現したこの曲はピアノが桜内梨子の声の代わりを務めています。このInstrumentalはOff Vocalでありながらボーカルが存在していると言えると思います
そのピアノの旋律を聴いて単純に良いと思う気持ちもあるのですが、特にここは梨子の気持ちを体現しているなと思っているポイントや私の好きなポイントがいくつかあるのでそれについて次で記します
⑦想いよひとつになれ (On Vocal) Instrumental.ver
私が好きなポイントを挙げます
〇Aメロ前のピアノソロの最後のグリッサンド (0:18)
単純にものすごくかっこよくて好きです
(※グリッサンド:鍵盤上を左右にスライドさせる弾き方)
〇Aメロの『ふと気付くと重なり合うよ』の裏 (0:27~)
これも単純に好きです
〇一番サビの千歌曜ソロパートの裏 (1:00~)
テンポが下がっていくような感覚があるのが良いですね
それこそ千歌と曜が一歩ずつ歩いているテンポのように感じます
〇二番サビの入り (2:07~)
こちらは一番と違ってテンポが上がっていくような印象を受けますね
テンポと言えば想いよひとつになれの元になった『海に還るもの』にはTempo rubatoという音楽記号がついていますね
テンポルバート:表現される感情の起伏に応じて,楽曲の速度を自由に加減して演奏する
この曲の一番と二番の違いはここから来ているのかも知れません
ちなみに隣に書いてある8vaは楽譜に書いてある音符より1オクターブ上の音程で演奏するという意味です。ドレミファソラシドで8音分ずらすという意味らしいのですが、これも梨子以外のAqours8人が梨子の背中を押したことと関連付けて考えても面白いかも知れませんね
〇間奏ギターとピアノの掛け合い (2:30~)
ピアノを梨子、ギターを千歌もしくは他の8人と考えてもいいかもしれません
〇Cメロ (3:04~)
弱い光が少しずつ明るさを増すような印象のピアノメロディー
そこにドラムが入ってくるのがいいですね
〇大サビ (3:30~)
聴いてもらえば分かると思うのですが、この曲のピアノは基本的にボーカルが歌っているメロディーとは別の旋律を弾き続けています
ただ唯一ボーカルと同じメロディーを弾くのがこの大サビの『何かをつかむことで 何かを諦めない』の部分です
つまり、ピアノを桜内梨子の声と考えるならここは唯一千歌たち8人と梨子のメロディーが合わさる瞬間……それこそ一番最初の歌詞『想いがひとつになる時 この時を待っていた』だと思います
これを意識した上でOn Vocalを聴くとまた一段と感動できます
〇アウトロ (4:38~)
最後の梨子のピアノで終わるのは1stライブでの逢田さんの演奏からもイメージが強いかと思います
ちなみにここの上がっていく音は9音です (アニメ版だと音が少なく、CD版だと最後の1音が鍵1つじゃなくなっていますがライブでは9音)
これもまたAqoursに重ねてみても面白いかもしれません
⑧蛇足と関連項目 他
と、Instrumentalの魅力は尽きないわけですが個人的にAqoursのCDに関して不満がひとつあります
それはナンバリング シングルが三曲入りなのでカップリング曲のInstrumentalが収録されていないことですね
「待ってて愛のうた」「夏の終わりの雨音が」などInstrumentalが聴きたい楽曲は多いのでいつかInstrumentalコレクションとして発売してくれたら嬉しいです
また、最近発売したものだと「未来の僕らは知ってるよ」の『希望でいっぱいの』の歌詞に当たる部分の裏で弾かれているピアノなども綺麗で好きですね
と、今回は自分の好きなInstrumentalについて何曲か書いてみましたが、思ったよりも長くなってしまいました…
ここまで読んでいただいた方はありがとうございます
機会があればナンバリング シングルのInstrumentalの記事などもいつか書きたいと思います…………機会があれば……
※楽器や音楽記号に関しては全く詳しくないので、間違っているところや何か気付いたことなどあれば教えて頂けたら嬉しいです