サンシャイン!!の中で重要な意味をもつ『羽根』について考えてみました
今回は簡易考察的な記事ですが、私とは別の視点で読まれる方も多い……と言うか人の数だけ視点がある話題ですので、あえて自分自身の書く内容にツッコミを入れています
ツッコミの際はこの文字色を使いますが、本筋はこの色の文章とは矛盾する記事になりますのでご了承ください
①七話における羽根の問い
いつもなら「そもそも羽根とは…」で始めるところですが、今回は省略します
Aqoursにとって大きなターニングポイントとなった七話
一話の「2nd seasonのスタート」という半ばメタ的なセリフから始まったサンシャイン!!二期ですが、この第七話のBパートという折り返しのタイミングで作中では三学期に突入したようです
二期=二学期だけを描くというミスリードの上で、三月まで二期で物語を描くということでしょうか
『残された時間』というタイトルもよく合っています
そんな七話でサンシャイン!!における象徴的なアイテム『羽根』が登場しました
今回『羽根』が登場したシーンは大きくわけてふたつです
①挿入歌『空も心も晴れるから』と共にメンバーがそれぞれ思い悩むシーン
②ラスト『勇気はどこに?君の胸に!』イントロで千歌の前を通り過ぎる
もっと別のシーン……例えば一年生買い出しシーンでの流れ星なども同じ意味をもつと解釈することも出来ます
ここからはあえて最新話で出てきた『羽根』を『ハネ』と表記します
①では千歌たち9人はハネの存在には気付いていないようです
夕焼けを眺めていた千歌が脱力し砂浜に寝転んだ目の前を通っていますが、どうやらそれでも千歌は気付いていない……視界に入っていないのではなく見えないようです
千歌は気付いた上で目で追うことすらしていないという受け取り方も出来ます
②では千歌は自分の目の前を通り過ぎるハネに気付いています
ハネはその後浮上していくと太陽の光に吸い込まれるように飛んでいきました
それを見てにこっと笑う千歌の心情についても考えてみたいですね
そんな『ハネ』の最大のポイントはその色です
②の千歌の前を通り過ぎた後にハネはどんどん青く染まっているように見えます
これはどんな意味に受け取るべきなのでしょうか
それを考えるとっかかりとして、皆さんがどう受け取ったのかを見ていこうと思います
今回は心優しい何人かのブロガーの方々に引用の許可を頂いたので、その視点の違いなども考えていきます
②それぞれの答え
さてそれでは幾つかの記事でハネに対してどう考えられているのかを見ていきます
そして今、千歌は真に「普通怪獣」の殻を破って、新しい夢に向かって駆け出そうとしています。
そんな彼女の元に舞い降りてきたのは―かつてμ'sへと想いを馳せた時、「仲間だけを見て、目の前の景色を見て、まっすぐに走る」ことが輝くことだと定義した、千歌が受け取った白い羽根ではなく。
自分たちでしか追い駆けられない、まだ誰も見たことも走ったこともない夢の軌道―
その道を千歌が走り始めたからこそこの世界に生まれた、Aqours色の青い羽根。
こちらはきりんさんの『きりんログ』から引用させていただきました
やはり、千歌が初めて『羽根』をうけとった十二話『はばたきのとき』のモノローグを考えたようですね
その上で、その『白い羽根』と今回生まれた『Aqours色の青い羽根』を比較したようです
感覚的にはμ’sが最後に撒いたゴールテープとAqours自身のスタートラインのような対比でしょうか
特に面白いのはこのハネの色を『Aqours色の青』と受け取った点だと思います
これが何の青なのかということも考えながら次の方の考えを見てみます
やっと見つかりましたね、「自分たちだけの輝き方」が。羽根がAqoursの色に染まったのは、自分たちが「みんな」の希望になったから。
夢を追い求めてがむしゃらに走り続けたAqoursの、その夢が潰えた時。今度はAqoursが「みんな」の夢になった。「みんな」のお陰で輝きを追いかけることができたAqoursが、今度は「みんな」のために輝きになる。
美しい7話でした。完敗です。
こちらはあきのさんの『あきの忘備録』より引用させていただきました
あきのさんも羽根の色をAqoursの色として捉えたようです
最初に述べた一学期・二学期・三学期という意味では、μ’s⇒Aqoursの一学期に対してAqours自身の二学期、そしてここからはAqoursとみんなの三学期というイメージでしょうか
記事を引用して頂きありがとうございます。
— あきの1期 (@YOUsukomin) 2017年11月24日
私の羽根の解釈について補足すると、「羽根」=「希望」の象徴として捉えた時に、7話ラストで「みんな」の「希望」になったAqoursを象徴して、「羽根」の色が青に染まったのかな、という考えから「羽根」の色を「Aqoursの色」と解釈しました。 https://t.co/9NLAhJbPPe
今まで以上に『みんなで叶える物語』としての側面を強く見せつけた第七話、七回コールド負けの完敗も頷けます
また、Aqoursが走る前の道がなくなった今、Aqoursが自分の走った後ろに軌跡…一生消えない思い出を残そうとする姿は、まるでHAPPY PARTY TRAINのPV大サビで目の前のレールではなく空に虹色のレールを描きながら走っていった姿と重なります
そして、空も心も晴れるからで千歌の前を通り過ぎた羽根。
千歌は気づかず空を見上げたままでしたが、屋上ではその羽根の色が変わる前に存在に気が付いています。本当に空も心も晴れたからこそ、μ'sが渡した夢の羽根に気が付いたのではないでしょうか。
一期#12「はばたきのとき」で、μ'sとの決別を志した千歌にエールを送るかのように渡された白い羽根は、本当のAqoursだけの道を歩みだしたことで青色に変わり、
そして二期♯7「残された時間」にて太陽に返還されました。
こちらはとっきーさんの『エモ置き場』より引用させていただきました
ここでは七話の一度目のハネが出てくるシーンにおいて千歌が気付かなかったことについて書かれています
そして、十二話で千歌が受け取った白い羽は青色に変わったと捉えた上で太陽に返したと表現されています
個人的にこの太陽への返還というフレーズがとてもしっくり来ています
そもそもこの羽はμ’sですら太陽(ラブライブ!大会やスクールアイドルの楽しさそのもの)から貰い、ステージの上で飛び立ったことによるものです
この羽をその世代ごとの主人公たちが受け取っては返還していく――まるで(ラブライブ!という作中の大会の…という意味ではなく)優勝旗のように表現されているのが実にラブライブ!らしいと思いました
μ'sがその「奇跡」を以ってして、世界中に撒いたスクールアイドルの可能性を象徴する羽根(=輝き)。始まりのスクールアイドルが撒いた羽根は白い色をしていました。
その羽根の色には意味がある。
μ'sが世界中に向けて撒いた羽根はどんな色にだって染まる無限の可能性を秘めた白い色なのです。
ゆえに、μ'sとは違う「キセキ」の可能性を提示したAqoursは、その「白色」を「水色」に変えられる。もう、空から地上へ舞い降りる羽根を受け取るだけじゃない。浦の星女学院の名前を、確かに「学校」がここにあった証を、遠くへ遠くへ届けるように、自分たちの色に染まったその羽根は、いま空へと飛び上がっていきました。
こちらはふわふわさんのブログ『ふわふわな記憶』から引用させていただきました
羽根はAqoursがキセキを受け取る側から、キセキを届ける側に成長したことによる変化を表しているんですね
また、私はこの解釈を読んでひとつの歌詞を思い出しました
明日への地図はいつだって
白く輝いて未来をえがいて
μ’sが風で飛ばした白い羽根はそれ自体がメッセージであると同時に白い明日への地図である…というイメージの受け取り方ですね
それが水色――つまりAqours色に染まったということには強い意味を感じます
また、 地図の話をしたのでついでに太陽を追いかけろ!からひとつ歌詞を引用しておきます
“GO!!”だよ 新しい地図が欲しい
今回Aqoursが浦女の生徒たちから受け取ったのは新しい地図を描くインクかもしれません
さて、以上四つのブログから引用させていただいたわけですが他にどんな解釈があるかを次で考えます
③誰かの答え 私の答え
これ以外にもきっとたくさんの解釈があって、たくさんの論点があると思うのですが、ここでは自分の意見ではないものも思いつく範囲で書き出します
まず、あのハネは一期十二話で出てきたものとは全く別なのではないか?ということについて考えてみます
十二話の羽根と違い今回出てきたハネはそもそも透明だったように感じました
つまり、白⇒水色ではなく白⇒透明⇒水色という変化について考えることも必要かもしれません
もしくは透明が白の延長線上にあるのなら、なぜ色が薄くなったのか……例えば、それは時間の経過とともに薄くなっていく軌道だからという解釈も出来ます
あえてイコールで何かと結ぶなら、見えない羽根は『見えない力』の象徴かもしれませんね
梨子と出会った一期一話では光る風に千歌が振り向いたことから始まります
あれと同じ光を羽根はまとっていたように見えました
次に、水色は本当にAqoursの色としての意味合いか?ということについても考えてみます
この作品の中で水色にはAqours関係以外にもいくつかの意味があります
それは、一言でいうのなら海と空です
もちろんAqours自体のカラーもそこから貰っているので元を辿れば同じと言えるかも知れないのですが
味方なんだ 空もこの海も
透明なハネなら、上昇するにつれ青空が透けて水色になるという考え方も出来ます
CG的にはハネ自体の色が変わっているのは否定できません
それなら元々の白い羽根は雲の色と受け取ってもいいかも知れませんね
雲の間に間に 新しい青空が待ってるよ 待ってるよ!
また、最新話での夕陽に向かうハネ・太陽に向かって昇っていくハネを見た時に、二期一話でのOPやラストの紙飛行機の動きを思い出したのは私だけでしょうか
比べると一致はしてないのですが、きっと考察や解釈次第では以下の全てを他の何かとイコールで結ぶことが出来るかもしれませんね
・羽根 (一期)
・ハネ (二期七話)
・紙飛行機 (二期)
・虹 (二期三話)
・光る風 (一話)
・花びら (劇場版)
・光る綿毛 (一期一話) …etc
波は風によって起きることを考慮して『MIRACLE WAVE』も考察しても面白いと思います
そして一期放送直後、あの羽根は12話とその直後の挿入歌から『ミライチケット』である(※MIRAI TICKETではないところがミソです)という見方がわりと一般的だったように思います
輝きは心から溢れ出して もっと先の景色 望むんだ
Ah! やっと手にしたミライチケットかざして…!
きっと一年後には形がない浦女を、消えない思い出にするためだけにラブライブ!優勝するAqoursには必要がないチケットで、だから太陽に返した
Aqoursはこれからミライチケットと引き換えに、
未来永劫消えない“今”を手に入れる
これが私の答えの一部ですね
前に記事に書いた花丸風に言うのなら、Aqoursの優勝はドーナツになり、浦女はドーナツの穴になる……その皿がラブライブ!のステージということです
奇しくも一期二話で花丸がテーマにしていると私が解釈したことの逆になったかもしれません
④答えがないのが、答え
さて、言ってしまえばここが本題です
この答えはきっとそれぞれにあるのですがオフィシャルブックの酒井監督のインタビューなどを見る限り、答えはそれ自体よりも各個人が出すことに意味があるように思います
そして同時に絶対的に唯一正しい答えが存在しないのもサンシャイン!!の面白いところ
きっと『答えがないのが答え』で、同時にそれが誰かが真剣に出したものなら『どんな答えも間違いではない』のではないでしょうか
これを読んでいる誰かが私と違う答えを出して私に伝えてくれたら、それが私にとって一番嬉しいことです
⑤補足と関連項目 と蛇足
今回は色んな方に文章をお借りしたのにそれらを一部否定するような記事になってしまい、自分の解釈がブロガーの方の本意とはズレていた点もあったと思います
それでも今回協力していただいた方々に、この場を借りてお礼を申し上げます
また、あまりにも必要なカロリーが大きく今回文章を抜けなかったのですが魂さんの下の記事はきっと羽根のことを考える上で大きな助けになると思います
ぜひ皆さんもご一読ください
……ここからは本当に蛇足です
きっとこの浦の星女学院の未来と引き換えに手に入れる『一生消えない思い出』は未来永劫『みんな』のものです
だからこのグループの名前はAqoursなのかもしれませんね
Aq ours……このキセキは、永久に私たちのもの
たとえこの文字が波に消えたとしても