トリスのメモ帳(16) 届かない星だとしても サンシャイン!! 二期六話 感想

Aqours WAVE』と果南と千歌と『SKY JOURNEY』と『届かない星だとしても』について考えました

 

 

 

人間はね、急行列車で走りまわっているけれど

何を探しているのか自分でもわかっていない

 

サン=テグジュペリ星の王子さま」より

 

 

今回は二期六話を見て感じた3個の独立した話題について考えます

 

①果南にとっての千歌 『ありがとう』

 

今回の話のテーマの中心は普通怪獣を自称していた千歌の成長と、果南の過去からの卒業のふたつだと思います

その中で千歌の方に関しては後の記事で書く機会がたくさんあると思うので、ここでは後者について考えます

 

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そもそも果南にとって千歌とはどんな人物でしょう

曜を交えた三人は幼馴染で、一期一話から親を含めた繋がりがあることが分かります

 

しかし、その裏で不可解な点がいくつかあります

例えば二期二話でルビィはAqoursを二年前から知っていたという事実が明らかになりましたが、千歌と曜は一期の前半において果南が昔スクールアイドルをやっていたことやAqoursという名前を知りませんでした

では、なぜ果南は千歌にそれを話していなかったのでしょうか

 

ここで一期九話での回想シーンを思い出してみましょう

 

うん。小さい頃は、いつも一緒に遊んでて……

 

こわくないって、千歌!ここでやめたら後悔するよ!

うぅぅ……

ぜったいできるから!さぁ!

 

千歌が怯えながら水に飛び込むのを果南が励ますシーンですね

 

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この時に千歌がどうして 水に飛び込もうとしていたか?と言うのは視聴者の間でもたびたび話題にあがりますね

やはり一期一話の回想『普通怪獣ちかっちー』で描かれたように曜の飛び込みに憧れた千歌が曜に秘密で果南に頼んで教えてもらった…という解釈が一番自然なように思います

 

曜視点ではこの回想の後の千歌が飛び込みを始めていないことが分かりますが、曜に対するコンプレックスを千歌が抱いていることを果南だけはある程度把握していたのではないでしょうか

 

とすると、果南が年下の幼馴染二人にAqoursやスクールアイドルの話をしていないのは千歌の“特別に対するコンプレックス”が根底にあってのことだというのが私個人の意見です

それを話していればきっと千歌は傷ついていたでしょう

そういった時に果南が幼馴染のためを思った選択が出来る人間であることは一期でもたくさん描かれていたように思います

 

また、明らかに“特別”に見えるであろうダイヤと鞠莉のことを果南が千歌に紹介していなかったのも同じ理由かも知れませんね

 

今そこまでしてやる意味があるの?

 

なんで、果南ちゃん! 今そこまでしなくていつするの?

最初に約束したよね、精一杯足掻こうよ!

ラブライブはすぐそこなんだよ!

今こそ足掻いて、やれることは全部やりたいんだよ…!

 

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そんな果南にとって対等というよりは妹のような接し方の面もあった千歌から言われたセリフだからこそ、試すことを言いながらもきっとどこかで「信じて」いたのだと思います

 

②SKY JOURNEY 『答えが空を指差していた』

 

3rd SINGLEであるHAPPY PARTY TRAINの名前を冠したツアー

そこで発表された『SKY JOURNEY』

振りつけとシンクロした背景スクリーンの演出や、埼玉公演では花道を踊りながら歩いていく ??「Aqours WALK!」 SKY WALKはかなり印象が強い曲だったようです

 

特に異例だったのはその後のMCですね

この曲がHAPPY PARTY TRAINのMVのラストで夜空へ走って行った汽車とAqoursのその先を描いた歌詞であることが明かされました

ライブ中のMCでアニメなどで明かされてない歌詞の設定に言及するのは初めてだったのではないでしょうか

 

さて、曲や物語と現実がシンクロすることが魅力のラブライブ!というコンテンツではHPTのツアーの先で「SKY JOURNEY」がまた意味を持つのではないかという予想はありました

私はこの最新話がある意味ではその回だったのではないかと思います

 

自分のことを普通だって思ってる人が、諦めずに挑み続ける

それが出来るって凄いことよ!凄い勇気が必要だと思う!

 

このセリフや上に引用した果南への千歌の言葉はSKY JOURNEYの歌詞と繋がっているようにも取れます

 

胸に確かなものもってたら それだけでなんとかなるって

なぜ優しく語れるのだろう?

勇気が欲しいのは誰でも 感じてることだと知ってるよ

だけど人は迷いたがるね

 

この歌詞を「胸にある確かなもの=勇気」と読み解くのならば『勇気はどこに?君の胸に!』も繋がっていると考えられるかもしれませんね

 

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余談になりますが『Journey』というのは同じように訳される『Trip』『Travel』とは少し違います

Trip:どこかへ行って帰ってくるという意味の「旅行」で名詞

Travel:長期間の『旅行』の意味をもつ動詞

Journey:移動する期間・時間の『旅』をさす名詞

Jouneyは旅から得る教訓・成長・進歩など、結果ではなくプロセスを重視するといった意味の比喩的な表現として使われます。

 

そう考えるとSKY JOURNEYというのは『全てを楽しんで進んでいきたい』というAqoursのコンセプトとよくあったタイトルですね

また、Aqoursの曲として『OUR』という文字が含まれているのも良いです

もっとも、これは偶然……もとい見えない力によるものですが

 

 

③届かない星だとしても 『We can!            !!』

 

ラブライブが始まって、その人気を形作った先駆者たちの輝き

決して手の届かない光

 

サンシャイン!!の話を見ていると、挿入歌として使われているわけでもなく、曲名が言われているわけでもないのにとある楽曲を思い出すことがあります

これを読んでいる皆さんも『Step!ZERO to ONE』や『恋になりたいAQUARIUM』をイメージしたことがあるのではないでしょうか

 

今回の話で私がイメージしたのは『届かない星だとしても』でした

 

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今回聖良との通話で『手の届かない光』あるいは『星』は先駆者であるμ’sの象徴として言われています

Aqoursの曲で『星』という単語は、最新話と同じ六話である『PVを作ろう!』の挿入歌にも出てきました

 

波がうつした星の輝き

遠い憧れの色

 

そして今回にも、これと近いニュアンスのカットが入っていたように思います

 

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聖良の言葉とこのカットはとある故事成語を思い出させます

猿猴捉月(えんこうそくげつ)

猿が水中に映った月を取ろうとして溺死できししたという故事から
身のほどをわきまえず、能力以上の事を試みて失敗することのたとえ

近くに見えているのは水面に映った反射

しかし、Aqoursは手が届かないと言われた光に手を伸ばします

 

ラブライブ!以上にラブライブ!サンシャイン!!は現実的な物語

空を飛べない人間の手が星の輝きに届くことは絶対にありません

ですが…

 

熱い熱いジャンプで
新しい光掴めるだろうか 

 

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千歌たちの武器はジャンプです

青空Jumping Heartでも言われているようなJumpでその『新しい光』をつかめるか、その答えは分からないですが千歌たちやることは決まっています

 

信じようよ

 

それは皆に『Aqours WAVE』を成功させると信じて貰った千歌だから歌える歌詞ですね

 

そして、泣きながら踊る三年生たちにとってはメモリアルアイテム『Aqours WAVE Tシャツ』で言われているセリフの続きがあるように思えました

 

Can we do it?

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We can!

 

 

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We can! Dance again!!

   『届かない星だとしても』より

 

千歌のおかげでもう一度このダンスが出来た

そんな三年生たちにとってはこの『We can!』はとても大きいもののように思いました

 

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④補足と関連項目 他

 

冒頭の引用は今回の話というよりもHPTとの絡みで入れてみました

今回も読んでいただきありがとうございます

 

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