トリスのメモ帳(870) 『言葉でも確かめたくて』 国木田花丸とおやすみなさん!について

とある楽曲とキャラクターに関して考えてみました

 

 

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……はい、こんにちは トリスです

これよりも上には期間限定で文章をつけているので、もし見えているとすれば幻覚として扱ってください(※上の文章のスクリーンショット行為はご遠慮ください)

 

今回は楽曲の歌詞について考えるということで国木田花丸ソロ曲でもある『おやすみなさん!』について考えたいと思います

※楽曲を読み解く記事ですが、ソロ曲なのでキャラの内面に踏み込む部分も多いです

また、ソロ曲は全て作中設定でも高海千歌ではなく本人が作詞しているという前提で書いていますので、ご了承ください

 

それでは、彼女の住む本の世界を見ていきましょう

 

 

①おやすみなさん!とは何か

 

まずはこの不可思議なタイトルについて考えてみます

『おやすみなさん!』というのは、ここでしか使われない造語でその語感と歌詞の内容から『おやすみなさい』の派生であるのは間違いないでしょう

 

では、なぜ『おやすみなさい』ではなく『おやすみなさん!』なのか

 

これについては色んな意見があるものの、結局正解と言いきれる域までは誰も踏み込めていないように思ったので、まずはそれぞれの解釈をまとめてみたいと思います

 

【解釈①:『おやすみなさい』+『みなさん!』】

 

検索してみたのですが、この解釈が一番人気みたいですね

実際字面から一番連想しやすい形だと思います

 

個人的にこの解釈があまりしっくり来なかったことが今回のようにおやすみなさん!の意味を改めて考えるきっかけのひとつでした

歌詞の内容と考えた時に『みなさん』との結びつきが薄いように思えるのと、むしろ国木田花丸が一人で歌い、一人で自分を見つめて、一人で眠る歌として難しいかなと思います

 

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ただし、国木田花丸が自分自身の人生を読者視点で読む物語のように俯瞰していると考えるならば、それを読み聞かせる相手として『みなさん』を設定してもおかしくないかもしれません

 

【解釈②:関西系の朝の挨拶である『おはようさん』の逆】

 

正直に言えば『おやすみなさん!』のルーツとしてこれは入っていると思います……が、タイトルの理由がこれだけと言うと少し弱いように感じます

何か別の語源とかけているようですね

 

この解釈が入っていないとおかしいなと判断する最大の理由はエクスクラメーションマークでしょうか

ポジティブな挨拶である『おはよう』にくらべて、『おやすみなさい』は大人しい口調になりやすい。そこにポジティブな意味を加える国木田花丸の意味でこれは挨拶なのではないでしょうか

 

先日のスクスタ特番で「Aqoursで朝ドラの主人公が似合うのは誰か」というテーマで伊波さん・斉藤さんが「花丸ちゃんは朝に見たい顔」と言っていましたが、この「おやすみなさん!」というタイトルが発表された直後にも朝ドラのタイトルっぽいという意見が多く観られました。ちなみに約40年前に放送されたNHK連続テレビ小説として「おはようさん」というタイトルのドラマが存在しています。

 

②おやすみなさん!における太陽

 

【解釈③:『おやすみなさい』+『SUN(サン)』】

 

懐疑的だった解釈①に対して、私の本命解釈はこれです

そもそも作品自体がサンシャイン!!で太陽と関わりの深い物語なのはもちろんですが、なぜこの理由なのかという話の前にひとつ触れさせていただきたいことがあります

 

lineblog.me

 

こちらはフォロワーのれどさんの『おやすみなさん!』考察記事です(れどさん、今回は掲載許可をいただきありがとうございます)

 

そちらでは『おやすみなさん!』の歌詞について以下のように考察されています

 

ここまで歌詞を追ってお話しをさせていきましたがみなさんは何かお気づきではないでしょうか?
今回の楽曲,もちろんまだ試聴動画の段階なのですが実は歌詞に外来語が一切使われていません。

外来語…つまり英語やカタカナを使うに相応しい言葉なのですが,そんなところにお家がお寺であるマルちゃんのらしさを自分は感じました。

 

実際、フル尺で歌詞を確認しても外来語は一切使われていません

ただこれは、Aqours(もしくはスクールアイドルやラブライブ!)としての曲がそういった言葉を多く使う傾向にあるということも関係しているのかな、と思います。

具体的にはラブライブ!大会とは無関係で作られた曲である『夢で夜空を照らしたい』や、μ’sでも同じようにキャラの内面に強く触れた個人的な曲である『なわとび』『もしもからきっと』などにも外来語は一切使われていません。

なので、特筆して花丸の歌詞にその特性があるわけでもないように思えます

 

……というわけで外来語関係の理由でタイトルに外来語が入る可能性を捨てるほどではないと考えました。

 

話を戻します

私がこの曲がタイトルにするほど太陽との関係が深いと考えた理由は大きく分けるとふたつあります

 

まずひとつめは歌詞とのリンクですね

 

晴れるよ 胸の空は
ああいつも幸せを 望んでるから

 

ここでは明日待っている楽しみを太陽のように扱っています

また、この歌詞が受けている『涙』を『雨』の代わりとして見ていることもわかりますね

 

無力な自分悔しいと 涙ぽろり落ちる

 

もうひとつの理由は歌詞カードです

BD特典曲の歌詞カードにはそのメンバーの落書きのような絵が描かれていることを皆さんはご存知でしょうか?

これは曲のモチーフに関わるイラストが含まれているので、毎回かなり注意深く確認しているのですが、おやすみなさん!の歌詞カードはと言うと…

 

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こちらですね

画像を見ればわかる通り、初めておやすみなさん!という歌詞が出てくるタイミングで横に太陽の絵が描かれています

他にはBメロ歌詞横に書かれている水滴も『涙』と『雨粒』の両方を感じさせる形になっていることも注目したいですね

 

そして何よりもタイトル自体の横に書かれているマークがこの曲のテーマを最も如実に表現しています

 

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千歌のミカンや梨子のピアノのように国木田花丸自体のモチーフになっているなるとはなまるマークが太陽のように輝いていますね

 

これはおやすみなさん!における太陽の意味がある程度大きいことを示す根拠になり得るのではないでしょうか

 

『おやすみなさん!』と『夢で夜空を照らしたい』の繋がりなども考えてみたいところですが、そろそろ歌詞の世界に参りましょう 

 

※このように並べてみても、実際に『おやすみなさん!』が何から来ているかというのはいまだ決め手にかけているようです

3rdツアーで披露される際の演出を確認するのが最も確かだと思うので初夏まではお楽しみということにしておきましょう

 

 

国木田花丸と二種類の『世界』

 

さて、歌詞の話に入るといいながらこの章にはおやすみなさん!の歌詞は出てきません(すいません)

 

やはりソロ曲はそのキャラの内面と深く関わるもの

ここでは『おやすみなさん!』という曲の話をする前に、国木田花丸と関係が深い『世界』という言葉について考えてみます

実はこの『世界』という言葉は、花丸のセリフの中で何度か登場しています

 

もう夢は叶ったから…マルは本の世界に戻るの

 

花丸はもともと自分が閉じこもっていた狭い範囲のことをたびたび『本の世界』と表現しています

それはもちろん現実にある範囲ではなく心情的な意味での『世界』だと思いますが、その『本の世界』のモチーフとして扱われているのが『図書室』です

 

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印象的だったのは4話アバンでの回想でしょうか

花丸が本を読み始める時には周りにいた他の学生が、チャイムが鳴るころには誰もいなくなっています(これはいわば、本の世界に浸るうちに一人に慣れていく花丸、と考えても良いでしょう)

そこで花丸も気づかないうちに後ろに居たルビィこそ、花丸のいる本の世界まで一緒に居てくれるただ一人の友達だった、という意味合いも見てとれますね

 

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また、その図書室を彼女は“現実世界”の隅っこだと考えている節もあるように思えます

だからこそ4話ではルビィのことを以下のように評していました

 

世界の隅々まで照らせるような、その輝きを…大空に放ってあげたかった。それが…マルの夢だった

 

これはある意味でその現実世界の隅にいる自分が照らされたことも関係しているようです

 

そしてAqoursを始めた国木田花丸

その扉から出た先は文字通り別の世界でした

青空Jumping Heartの歌詞を見てみましょう

 

いつものセカイが あたらしい扉を隠してるの

 

まぶしいセカイで 呼ぶ声がきこえた
(もっと!) 聞いてみたくて (Let's go!) 

 

(花丸)光の向こうへ

 

2期12話で、ついに迎えたラブライブ!大会決勝前夜

花丸は千歌からの質問に答えます

 

ラブライブ!、勝ちたい?

 

……マルはずっとルビィちゃんと2人で図書室で本を読んでるだけで幸せだったけど

千歌ちゃんたちのおかげで外の世界に出られて

みんなと一緒ならいろんなことが出来るって知ることができた。

 

だから、勝ちたいずら!

それが今、1番楽しいずら!

千歌ちゃん、マルをスクールアイドルに誘ってくれて、ありがとう!

 

ここでは千歌への感謝の言葉で占められていますが、もちろん花丸を『本の世界』から連れ出したのは黒澤ルビィです

そんな1期4話が収録されるBD3巻ジャケットはルビィの色をしたアイスクリームを持った花丸のイラストでした

 

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ちなみに、このイラストが使われたスクフェスでのURカードの名前は『9人の世界』になっています

 

私は『おやすみなさん!』の中心は、そんな本の世界から出て新しい世界で生きていく花丸を描いた曲だと解釈しています

 

お待たせしました

では、そんな『おやすみなさん!』の世界に足を踏み入れて、歌詞の話を始めましょう

 

 

④『言葉』には出来ないような

 

国木田花丸は抜けているところもありますが、未来的なもの 機械などを除けばAqoursのなかでも最も知識がある人間だと思います

それは本の世界にはたくさんの情報が溢れていたからですね

 

そんな国木田花丸の目線に立った時、まず気になったのがこの歌詞です

 

言葉には出来ないような

悲しみたち 知った時

 

一見するとJ-popなどでもよくあるような歌詞ですね

例えば小田和正の名曲『言葉にできない』などが有名です

 

ただし、この表現は国木田花丸が口にする時だけは特別な意味を持ちます

 

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なぜなら、『本の世界』には『言葉に出来ない』感情は存在しなかったからですね

 

言葉という形に圧縮された世界で生きてきた彼女にとって、外の世界で自分の胸に生まれた『言葉に出来ない悲しみ』は本当に初見だったのでしょう

 

私はこれは1期8話でのことだと思います

千歌の目線で描写されることが多いので千歌個人の挫折だけを注目されやすい8話ですが、一年生の目線で考えてみましょう

一年生三人にとってはじめてスクールアイドルとして踊った曲である『夢で夜空を照らしたい

 

それが評価されて呼ばれた東京でその始まりの曲を披露して0票だったのですから、イメージとしてはラブライブ!無印三話での誰も居ない講堂を見た穂乃果たちのようにとてつもない絶望だったことは想像に難くないですね

 

しかも『夢で夜空を照らしたい』はPVとして公開する形でしたし、そこまでに花丸とルビィはネット上で褒められ、善子もネット内では人気者

一年生にとっては初めてたくさんのお客さんの前で実際に踊る機会だったことも大きかったと思います 

 

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でも、そこから一番のBメロ~サビの歌詞にある通りに顔をあげた国木田花丸だからこそ、8話のラストで早朝にあの海岸に来たわけですし、6人が海で涙を流した時に顔を出した太陽もまた強い意味を持ちます

 

1期13話、一年生はこの時の事をステージ上でこう評しました

 

 スクールアイドルは、厳しい世界

 

それこそが本の世界からトビラを開いた花丸を待っていた壁であり、同時に仲間と成長していくために越える一段目のステップでした

 

そうしてたくさんの障害を仲間と乗り越えてきた国木田花丸が2期12話で口にしたセリフをもう一度見てみましょう

 

マルはずっとルビィちゃんと2人で

図書室で本を読んでるだけで幸せだったけど

千歌ちゃんたちのおかげで外の世界に出られて

みんなと一緒ならいろんなことが出来るって知ることができた

 

この『一緒』というのが一年生にとってはひとつのキーワードになっています

 

なんとなくわかる気持ち ずっと一緒だから届いてる?
以心でね伝心かな とても嬉しいつながりなら

 

 実際におやすみなさん!の歌いだしの歌詞を見ればわかる通りに、花丸にとってルビィや善子と一緒にいる幸せは大きく、だからこそ『一緒にはじめよう』『一緒に歌おう』と言った一年生のシーンで使われてきた劇伴音楽の題名もまた意味を持ちますね

 

⑤『言葉』でも確かめたくて

 

※ここからは本当に妄想です

 

そんな幸せを感じてきた国木田花丸のスクールアイドル生活ですが、二番Bメロの歌詞に該当する部分があるように思います

 

それは2期2話『雨の音』

あの回では6人で協力して作曲・作詞をしましたが、衣装はもちろん黒澤ルビィが、作曲は曲調をみる限り黒澤ダイヤがメインで作っているように思えます

そしてみんなで言葉を出し合った歌詞ですが、最終的にまとめたのは国木田花丸なのではないでしょうか

国木田花丸が作詞に関わっている(もしくは興味がある)とされる描写は一期の頃からいくつかありました

 

そして、今回国木田花丸がみんなの『言葉』をまとめる役として動いたと考えるとMY舞☆TONIGHTにおける彼女の立ち位置にも納得がいくのではないでしょうか

 

とても嬉しいつながりなら

 

言葉でも確かめたくて

でもまだ思いつかない

 

個人的な話ですがこの部分を聴くたびに、そんな花丸が作詞で苦戦する姿を思い浮かべます

『言葉には出来ない』感情をスクールアイドルを通じて知った国木田花丸が、今度はその『言葉』で今ここにある想いを伝えるすべを模索していく姿を、ですね

 

だからこそこの『でもまだ思いつかない』は自分が一番よく知る『言葉』に想いを落とし込めないもどかしさを受け止める彼女の心情が私には伝わってきます

 

それは、まるで自分の中にある『海の音』を『メロディー』という手段に落とし込むために四苦八苦していた桜内梨子の姿のようですね

梨子にとっての『音楽』と花丸にとっての『言葉』はとても近い関係なのかもしれません

 

 

⑥世界の中心で、ずらをさけぶ

 

この章もまた妄想に近い話になってしまうのですが、一年生に共通するテーマのひとつとして『二種類の自分がいる』ということだと思います

 

それは普通な津島善子が特別な堕天使としての自分ヨハネを抱えていることだったり

 

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それは一見弱そうな黒澤ルビィ(鹿角理亞)が姉や親友のことになると口数が増えたり、または高い壁を乗り越える勇気を持っていることだったり

 

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そして花丸の場合で言えば、それは主人公(ラブライブ!サンシャイン!!で言えば主人公グループのメンバー)としての彼女とは別に、自分を脇役のように客観視している国木田花丸が存在することでしょうか

 

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だからこそ、一年生の眠る力が動き始める『Awaken the power』が面白いですね

そして、どこか第三者視点的な国木田花丸の思考は、4話の回想で自分の居場所を『隅っこ』と表現していることなどからも伝わってきます

 

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これが国木田花丸の面白いところなのですが

高海千歌の視点だと『One More Sunshine Story』などとの対比になる『はじめたい!My Story』という歌詞

それが、国木田花丸の視点だと今まで読んでいた本の世界の物語に対する『自分が主人公の物語(Story)』として意味が取れますね

 

なので『おやすみなさん!』の歌詞にある『文学的な気分で眠ろうか』はそのままの意味ではなく、『夢を見よう』という意味で『夢』をかけているのかも知れませんね

 

奇しくもどこかの少女が『悩まないで 夢を見よう』と歌った言葉が花丸に届いたかのようです

 

また、二期以降の花丸の思考は少しずつですが自分をこの世界の脇役ではなく、ひとりの主人公としてのポジティブな考え方になってきているように思えます

 

一番大切なのは出来るかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!

 

そんなタイミングだからこそ、国木田花丸Aqoursとしてではなく、ひとりきりで歌う『おやすみなさん!』は強い感動を与えました

この4分間は間違いなく彼女がこの世界の中心なのですから、私もとても嬉しいです

 

 

⑦そして次の世界へ…

 

だから笑顔で明日もがんばろう

 

幸運はまず笑うことから はじまってゆく気がして
ああ無理にほっぺたを上げて見る鏡
妙な自分の表情で みごと笑えたよ


おやすみなさん! 

 

そして迎えた最終話は国木田花丸にとってもとても大切な回でした

 

今までマルたちを守ってくれて、ありがとう…

 

この図書室との別れがどれだけ彼女にとって重たいのか

そして彼女はどんな気持ちであの歌詞を歌ったのか

 

MY NEW WORLD
新しい場所 探すときがきたよ
次の輝きへと海を渡ろう


夢が見たい想いは いつでも僕たちを
つないでくれるから笑って行こう

 

そんなたくさんの悲しみに押しつぶされそうになりながらも、眠る前の鏡の中の自分を見つめて、笑おうとした国木田花丸

それでも彼女が笑えるのは黒澤ルビィ津島善子が居るからだというのは本当に奇跡のような出会いです

 

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本の世界に別れを告げて、浦の星から離れた国木田花丸がこの先何をしていくのか

 

ただ今日はそんな彼女の未来にまた、『言葉には出来ないような』幸せが溢れることを祈ってここで終わりとさせていただきます

 

ぜひ皆さんも一度ゆっくり『おやすみなさん!』を聴きながら国木田花丸という少女のことを考えてみてください

 

今回も読んでいただきありがとうございました